特集の最近のブログ記事

ストップ・ザ・もんじゅ



4月16日、「原発いらん!関西行動」と銘打って、反原発関西8団体の呼びかけで、大阪市内の目抜き通り御堂筋を3500人でデモしました。

 呼びかけ:ストップ・ザ・もんじゅ、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会、グリーン・アクション、若狭連帯行動ネットワーク、チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西、原発を知る滋賀連絡会、奈良脱原発ネットワーク

 何しろ急ごしらえで、ネットの告知だけが頼り。初めての試みで本当に人が来てくれるのか不安と期待でドキドキでしたが、半月の告知期間で、それでもデモ当日、googleの検索は26万件をヒット。ブログやtwitterで広めて下さった皆さんに感謝、感謝、感謝です。そして蓋を開けたら大勢の人たちが集まってくれました。中之島公園の女神像エリアは人でうまり、歩道にも大勢の人があふれていました。(youtube「原発いらん!関西行動」)


demo02.jpg久方ぶりに会った人たちも何人もいましたが、「生まれて初めてデモします」という人たちが圧倒的に多かったと思います。何より小さな子連れできてくれた若いご夫婦やお母さん達の姿もたくさんあって、なんだかうれしくなりました。老若男女が思い思いのプラカード、Tシャツへの書き込み、手作りのゼッケンやかぶり物、ビニル傘のデコレ、そしてブブゼラ、太鼓の鳴り物多数、ギターを抱えた人、自転車を押してる人、路側でパフォーマンスをしている人、実に多彩でした。
 中之島を南下、本町を過ぎて心斎橋界隈に入るとかなりの人出で、デモの最後尾には次々と若い人が入ってくれてたようです。デモコースは4キロの長丁場でしたが、かなりの人たちが最後まで行進してくれたように思います。久々に距離を感じさせない充実感のあるデモでした。
 難波に近い交差点の一角(歩道)に右翼の一団が待ち構えていて、「電気を使うな」だの「ろうそくで暮らせ」だの罵声を浴びせかけてきました。京都で在日の皆さんに悪質な嫌がらせを繰り返している「在特会(在日の特権を許さない市民の会)」という連中だと、デモ参加者から指摘がありました。唾棄すべき輩です。
 俳優の山○太○さんがウルトラマンのお面をかぶって、ウルトラ兄弟(皆さんお面をかぶったお仲間)とともに最後までデモに加わってくれました。終始、シュプレヒコールをあげ、場を盛り上げ、「『仕事を干される覚悟で 』という 熱い思いが伝わってきた」と、同じブロックにいた人が感激してました。 ーストップ・ザ・もんじゅ 大島茂士朗
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「ストップ・ザ・もんじゅ」  パンフレット

危険のかたまり 高速増殖炉「もんじゅ」

[2008年1月/B5/20頁/¥200] 発行=ストップ・ザ・もんじゅ

世界の高速増殖炉の事故と現状

[2008年12月/B5/20頁/¥200] 著=小林圭二 発行=ストップ・ザ・もんじゅ

究極の無駄 高速増殖炉開発

[2007年12月/B5/12頁/¥200] 発行=ストップ・ザ・もんじゅ

超危険で無駄なもんじゅを廃炉に 豊かな実りとすべての命を守るために

[2011年1月/B5/12頁/¥100] 発行=ストップ・ザ・もんじゅ

高速増殖炉と軽水炉 どこがちがうの?ムリがたたって危険がいっぱい

[2008年11月/A5/20頁/¥200] 著=小林圭二 発行=ストップ・ザ・もんじゅ

〈DVD〉山のかなた

[2009年6月/76分/¥2,800] 著=小林圭二 制作=ストップ・ザ・もんじゅ 脚本・監督=池島芙紀子 音楽=坂本龍一 








『愛情通信10周年』



私、ナカダヨーコが発行しているフリーペーパー『愛情通信』は今年で10周年になる。2001年の創刊当時、私は23歳だった。10年前の私は、まさか33歳になっても自分が独身だとは思ってもみなかった。10年経てばさすがになんとかなっているだろうと。でも、どうにもならなかった。何となく生きていたらいつの間にか10年経って、気が付いたら何も変わらないまま年だけ食っていた。だから、『愛情通信』も気が付いたら創刊から10年経っていただけで、発行ペースもこのところ年に2回だし、続いているからすごいとか、そういうことは全然ない。だけど、せっかく「10年続いてすごい!」と周りの人が言ってくれるので、ですよね?すごいですよね?いやーそうなんですよ、と乗っかっ
ていきたいと思う。

高校生の頃に模索舎を知った。通りがかりに気になって偶然入ったのが初めてだった。今にして思うとあまり偶然通りがかるような場所でもないので、運命に導かれたとしか思えないのだが、模索舎で初めて自主製作の冊子やカセットテープを見て、心が躍りまくった。こんな珍しいものが売っているなんて!山田花子のカセットテープ、50円のミニコミ、ハングル文字の下敷きを買って帰った。そして、自分でもフリーペーパーを作って模索舎に置いてもらおうと、友人と作ったのが『鬼星』(おにぼし)。6部配布した。当時は、店員さんに見本誌を3部渡すことになっていたので、差し引き3部しか出回らなかった激レアかつ、『愛情通信』の原型となったフリーペーパーである。
内容は草なぎ剛への架空インタビューや、小説(母子家庭で子だくさんの母親が、飢えた子どもに自分の肉を食べさせるために屠殺場で自殺、その後ドブスの長女が家長として売春をして生計を立てるというとんでもない話)など。

『愛情通信』発行の動機は演劇のメンバー募集だったが、1号目にしてそのコンセプトは崩れ、内容は超個人的な雑記となった。当時はブログもあまり一般的ではなかったので、ブログのようなノリだった。『愛情通信』1号から5号までくらいは、シャープの「書院」というワープロで文字を打ったものを切り貼りして、原稿を作っていた。ワープロソフトでなく、ワープロだ。時代を感じる。しかし、word2000になろうとも切り貼りのアナログ作業は続いた。今年word2010に変えたのだが、ますますアナログ化は進むと思う。何故なら、使い方がわかならいから……もう全然わかんないよ。フォトショもイラレもわかんないからwordだけが頼りだったのに……。切り貼りはこだわりとかそういうんじゃないから。

「10年間何も変わらないまま年だけ食った」と言ったものの、『愛情通信』7年目にして、『Quick Japan』での執筆を開始。現在に至るまで1号も欠けず(重要)に書かせていただいている。また、昨年より『TRASH−UP!!』、今年は『カバン・モノ』(『monoマガジン』のムック本)にも書かせていただき(宣伝!)、こんなことは10年前には想像もできなかったことで、うれしい大変化である。1号の「女性のデリケートな部分のお話」を書院でカタカタと打っていたとき、ちょうど知人の文章が『ユリイカ』に載っていることを知った。片や『ユリイカ』、片や陰部……。あの時の惨めな気分の私に「陰部のことを書き続けてても、いいんだよ」と教えてあげたい。

今後ともますます外へ外へと出ていきたいので、皆様もどうぞ私にお力をお貸しください!私を育てて伸ばして何とかして欲しいし、他力本願かもしれないけど大目に見て欲しいし、蝶よ花よとチヤホヤして欲しい!いいじゃん、10周年なんだもん……すみません!でもがんばるから!どうぞよろしくお願いします!

ナカダヨーコ

おしらせ→→〈店内イベント〉愛情通信10周年記念 模索舎の夕べ

私、ナカダヨーコが発行しているフリーペーパー『愛情通信』は今年で10周年になる。...



「就活どうにかしろデモ」の報告と、これからへの個人的な願い

11月23日に行われた「就活どうにかしろデモ」には実行委員会が当初に予想した以上の人が参加してくれた。このデモと同趣旨のデモは東京のほかに札幌、大阪、松山で同時に行われたのだが、どの地区も盛況のままデモを終えることができたらしい。デモ後にはテレビ・新聞などでも報道していただいた。広く多くの方に対しての問題提起という実行委員会内で最大の目的としていたことは果たせたのではないかと思う。

 現在の就活は当事者である学生にとって理不尽だと思われる点、効率的ではないと思う点が少なからずある。就活の早期化、内定率の低さ、息を吐くように嘘をつくことが求められる面接(某中堅企業に内定をもらった僕の友人の言葉)などがそれにあたる。
そのような批判や不信感を大きな一括りとして「現在の就職活動はおかしい!」と当事者である学生が中心となって声をあげようではないか。おおざっぱに言うと「就活どうにかしろデモ」というのはそのようなデモであった。

以上のように僕たちがデモの目的としておいたのは、就活の(自分たちが感じる)矛盾点の指摘とその矛盾点を広く多くのことに対して問題提起することだった。そのため「デモの準備段階で、またはデモが終了した今でもよく聞かれる次の質問には実行委員会の中で統一された答えは現段階ではない。
「具体的に就活のシステムをどう変えたいの?」
もちろん明確なビジョンを持って行動している人もいるし、そうではない人もいる。ちなみに僕個人では「こうなったらいいなぁ」という理想はあるが、その理想達成のためのプロセスや理想のシステムを維持するためのディティールを持ち合わせているわけではない。恐らくだが、当日参加者の中には「内定がもらえない」「なんか就活がムカツク」といった感情論優先で参加した人もいると思う。

僕はそのようなことを悪いことだと思わない。むしろ肯定的に捉えている。この生きにくい社会の中で、たとえ対案がなかろうが感情優先だろうが、自分の周辺にある矛盾を社会に向けて発信することはとても重要なことだと思う。その声はもしかしたら別の誰かを救うかもしれないし、賛同してくれる仲間が見つかるかもしれない。
「就活どうにかしろデモ」における影響が、「就活」という枠組みに留まってほしくない。一人でも多くの人が、目の前の不条理に対してもっと自由に声をあげることができる社会になってほしいと思う。



模索舎ライブを終えて  dependent direct sales kayo



11/22 工藤冬里さんのライブを新宿模索舎にて行いました。
depdent direct salesというのは工藤さんとkayoがやっている手書きCD-Rをリリースするレーベルです。ddsでのblogのやりとりや話をしていて工藤さんの言葉には書物からの引用がとても多いことが気になり、どんな本を読みどんな影響を受けたのだろうかと思っていたのですが、模索舎の榎本さんからライブの提案があり模索舎の店内で本に囲まれた中、工藤さんがライブをしたら面白いのではないかと妄想は膨らみ榎本さん、鹿島さん、店長さん達と話を進めました。ライブの企画の中で工藤さんが放った言葉が「すべての読書は道場破りである」なのです。本を読む行為は道場破りみたいなもんじゃないですか、と工藤さんは話してくれました。工藤さんは本という道場にたのもーと出向き道場破りをしてきたんでしょうね。私は本を読むことも音楽聞く事もある程度距離を持って接してきました。道場を破ることをしたことがないのかもしれない。工藤さんとddsをやるうちに工藤さんの音楽は聞く人を巻き込みまるで自分の問題のように皆捉えているんだと知りました。自分の人生を重ねてるように見えます。それは工藤さんの音楽という道場に出向き闘うつもりが道場の一員になっているように見えます。これは凄い道場だなあと。これは何なんだろうと。興味を持ったんですよね、工藤冬里という道場に。破ってやろうじゃないのと思ったんです。工藤冬里さんはずっと即興の中でやってきて本人はずっとパンクのつもりでやっていますとインタビューなどでもおっしゃてます。私にとってパンクは再構築するための自己破壊です。ぶち壊さなければ始まりもしない。今の工藤さんは音楽ではたのもーと破る道場がなくてつまらなさそうにしてるように見えます.破りたい道場を探していると言った感じでしょうか。そしてその道場はどんな道場なんだろうか。ddsはレーベルと音楽家のありかたをぶち壊すようなそんなレーベルでありたい。道場は読書だけではないのです。自分が望めばどこでもたのもーなんです。大敗するかもしれませんがddsは工藤冬里という道場にたのもーだと思ってやっています。


工藤さんが歌った歌のリストです。

ネマウムチュダヌルカルゴ(サヌリム)
sheep year(竹田賢一)
釜ヶ崎no I
ローマ帝国衰亡史 エドワードギボン
鞭のうた 牧野虚太郎
楢山節 深沢七郎
伊予漫才 溝ノ辺騒動
勾配 森川義信
冷たい雨 鮎川信夫
京都ゆきてかへらぬ 中原中也
北の海 中原中也
miss you,my baby doll  T.Sエリオット 荒れ地より 
some of  these days


サヌリム
1977年韓国でデビューした韓国ロックの祖といわれるバンド。当時韓国では学生運動が盛んであったため若者に熱狂的支持を得る。歌謡ガレージを基礎に同時期に発生したパンクロックの風味も混じり合った唯一無二のサウンド。かっこいいです。

竹田賢一
坂本龍一らとの学習団やA―Muscなどの活動で知られる。デレクベイリーのインプロビゼーションの即興演奏の彼方への翻訳やセロニアスモンクの鐘などの執筆など多岐に渡る。エレクトリック大正琴の奏者で現在も活躍中。

エドワードギボン
イギリスの歴史家 古代ローマ帝国の衰亡を記述した歴史書の古典大作。

牧野虚太郎
詩人 作品は17篇という寡作な詩人。「荒地」に編されるも死後の事で鮎川信夫により牧野虚太郎詩集が発行される。

深沢七郎
ギタリスト、小説家 木下恵介により楢山節考映画化されている

伊予漫才
工藤さんの住む松山の伝統芸能である伊予漫才。松山藩主がお正月の行事として上方から漫才大夫を招き年のはじめを祝ったことから発する行事。

森川義信
鮎川信夫
この二人は切っても切れないのでまとめて
早稲田大学時代「荒れ地」を創刊。鮎川信夫は死後「失われた街」は森川義信伝を刊行。鮎川信夫は甥っ子の家でスーパーマリオの裏技に熱中してる最中に脳溢血で死亡。享年66歳

中原中也
詩人 短い生涯において350篇もの詩を残すも生きている間には1冊の詩集「山羊の歌」しかない。彼の詩は友川かずきや諸井三郎らにより歌になっている。友人・小林秀雄に妻を奪われ再婚すれど死ぬ間際に泰子と言った話は有名

T.S エリオット
イギリスの詩人 ロマン主義からの訣別現代英詩の画期的作品となる荒れ地を出版。哲学や古典からの引用を多用し5部からなる433行の詩には繰り返し生、死、再生の原型が出て来る。それはダンテの天国編を欠いた「神曲」に喩えられる。

Some of these days you’ll miss me honey
サルトルの嘔吐より


最後にdependent direct salesでインタビューをしたものを転記しておきます。


Q kayo
工藤さん、
模索舎でライブをしてみてどうでしたか?

A 工藤
機関紙を買いに来るのが公安ばかりという相変わらずの閉塞感の中、若いスタッフの方達が親切で元気そうであるのが逆に気になりました。無知故に元気なのか?それともジジェクとか読んで大上段から見切っているのか?ここは昔から元気であってはいけない必敗者たちの喧嘩の場所なのに。ああでもぼくらは昔から親切で元気そうだったのだ。思い出してきた。山谷で僕に一万円札を握らせた印刷屋のA,黒色戦線社に斡旋してくれたM,いつも新宿で奢ってくれたSやK,みな優しい人々であった。
金田一安民がすっかり丸くなってしんみりと「やっぱり本はいい」と何回も呟いていたのが印象的だった。というわけでみなさんありがとう。あの夜だけはぼくは幸せ者でした



アートスペース mograg garage(モグラグガレージ)



mograg garage(モグラグガレージ)
mograg garageは2008年2月、東京・国分寺にガレージを改装した
小さなアートスペースとして誕生しました。

文字通りのガレージなので、気持ちのいい日が射し込む時もあれば、
時にはどーしようもない雨風が吹き込むことだってあります。

だけど、そこに魅力的な作品と感性豊かな鑑賞者がいれば、そこはアートスペースとなります。
既存の体裁の整ったスペースで展示・鑑賞することだけが、アートとの出会いの場ではないはずです。
作品のある空間=アートスペースであり、表現する人とそれを受け取る人が出会うことのできる場所
となると考えています。 人が繋がり、新しい発見が生まれ 、そしてそれらが持つ意味を丁寧に
みつめることを大切にしています。

このガレージを基地として、心が揺さぶられてワクワクするようなものを様々なカタチで発信して
いきたいと思います。
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mograg MAGAZINE Vol.02

★アートスペースmograg garageがお届けする、ビジュアル至上主義者たちのためのアート&カルチャーマガジン!!!/mograg magazine は、毎号『テーマ』を設け、そのテーマに基づいたアーティストの新作による誌上展覧会をメインコンテンツ とし、その他、様々なライターやアート関係者によるコラム、マンガやアートレポなど盛りだくさんの内容でお届けする、視覚的感覚的エンターテイメントと思考的エンターテイメントの両軸から「アートの感性」が喜ぶ雑誌です。 /今回のテーマは『ホラー Horror』です。"ホラー漫画、ホラー映画、ホラー小説など " 恐怖 " をテーマにしたエンターテイメントは、怖くて怖くてしょうがないものの、そ の先を知らずして前には進めないという何とも矛盾した感情を生み出す。 その瞬間生成される想像力は、もしかしたら自分の発想を超えたスペクタクルな " 飛躍 " をもたらすかもしれない。"目次:【Special Feature】「山口昌弘という男」山口昌弘/お化け屋敷秘話&遊園地今昔@花やしき/【対談】田中六大×土屋萌児/みなみりょうへい×トンチ /山さきあさ彦×鈴木常吉/【評論】「ヨシカワショウゴを誤読する」井口啓子/【ロングインタビュー】「黒瀬陽平の蒔いた種」黒瀬陽平 /【BUFFET Columun】BAIYON/梅ラボ/黄倉未来/中村 賢治/スメリー/ドキドキクラブ/ドラムの人/石川翔平/JAQWA/【カルチャー】小林銅蟲/田中六大/星くずのキラメキ/藤原マヤ/堀道広

[2010 年10月/B5/123頁/¥1,260] イラストレーション=坂本渉太/ゴウダヨウスケ写真=斎藤裕也 編/発=モグラグガレージ

WHAT is LOW HIGH WHO??



先日10月3日にLOW HIGH WHO?というインディーレーベル主催の「模索舎インストアライブ」なるものが行われ、詩の朗読や弾き語り、ピアノとの即興セッションなど、多様なアーティストがパフォーマンスを披露しました。主にネット上での告知にもかかわらず、多くのお客さんに来ていただき、本屋さんならではの距離感と空気の中、無事イベントを終えることができました。イベント終了後はお客さんも出演者もかまわず誰かの差し入れたバーボンで乾杯するという、どこまでもアットホームな風が吹いていました。

今回はこの場を借りてLOW HIGH WHO?(以下LHW?)というインディレーベルについて私、LHW?一年目の新人、不可思議/wonderboyが紹介をさせて頂きます。
私が初めてLHW?代表のParanelさんと出会ったのは今年5月の半ば、一人暮らしを始めたばかりで炊飯器もなく、あらゆる煩雑な手続きに発狂しそうになっていた時期、がやや過ぎた時期でした。私はネット上でのやり取りでしかその存在を知らなかったParanel氏について、そのパラネルという響きからおそらく髪の毛はストレートでロン毛、時折目にかかってしまう前髪を振り払う仕草で女子たちの心をつかみ、長らく海外にいたせいか「はじめまして、Paranelです。」と言うときの“Paranel”だけ異様に発音が良い、細身ですらっとしたオノ・ナツメの漫画に出てくるような人物像を描いていました。ですが池袋のスタジオで、Tシャツに大きなリュックサックを背負ったどことなく訛りのあるしゃべりをする彼に出会ったときには良い意味で期待を(あるいは不安を)裏切ってくれました。
rouhightwho.jpgLHW?はそんな代表のParanelをはじめ、トラックメイカーのEeMuやラッパーのYAMANE、バンドや詩人など、多種多様ながらもどこか共通点を見いだせるようなクリエイター陣が集まっています。ですので自然と、扱う商品もCDから詩集、絵画、最近ではTBSドラマのサントラまで色とりどりの万華鏡となっています。どことなくおしゃれな感じが漂っていて、その「LOW HIGH WHO?」という名前も南米のインディオの「愛している」という言葉を英語に捩ったものだそうです。中国語のウォーアイニーみたいなもんだと思います。おしゃれだ。かくいう僕もやはりおしゃれなので声をかけられたに違いありません。ユニクロと無印良品を全力で駆使したそのスタイルは唯一無二だと自負しております。(自分でも何を言っているのかわかりません)
ここまで読んで興味をもたれた方は是非ぐぐっとググって頂きたいものです。模索舎インストアライブも第二弾があるとかないとかで私たちLHW?も模索舎同様、街にあふれる平積みにされた商品では満足できないあなたを都会の片隅でお待ちしております。

文・不可思議/wonderboy(LOW HIGH WHO?)



とんつーレコード



 福岡にアートスペース・テトラという場所があります。福岡市博多区の、割と歴史深い地域にあります。博多では7月15日を最終日とした『博多祇園山笠』というお祭りが、一説によると400年ほど続いておりまして、櫛田神社から出発して神輿を担いで地域を走る、そのタイムを競う祭りなのですが、そのゴールが石村萬盛堂という老舗のお菓子屋さんの本店なのです。その裏手にあたりますが、三軒長屋の真ん中を借りまして、何人かで家賃を割り勘しつつ、運営しています。お察しの通り自主運営という名の自腹のやつです。ちなみにメンバー募集中です。福岡の中心、天神から徒歩10分の好立地。そこではライブイベントをしたり展覧会をしたり、トークイベントだったり、ゆるゆるかつコアな即興のイベントだったり、勉強会だったり、日々様々なイベントが行われています。様々な人が交差する場所です。

tetra.jpg(写真:アートスペース・テトラ外観)
 
そのような中で、また、個人的な活動の中で、稀に出会う『本物』。何と言い表していいか分からないほど面白い人がふいに現れたりします。見ていくうちに頭角を表す人が居ます。話しているうちに一緒に何か始めてみようということもあります。この人と一緒に何かしたい、こんな面白い人の作品を広めないのは罪だ、こいつの言葉は今こそ世にださなければ!そういう気持ちから、『とんつーレコード』は始まりました。土地柄か「とんこつ」とよく間違えられますが間違えないでください。テトラのではなく、私個人のレーベルです。申し遅れましたが私、小山と申します。
 とんつーというのは、ある年代までの方々にはすぐに分かっていただけるのですが、「モールス信号」のことです。残念ながら私はその「ある年代」の方ではないようなのですが、うちの父が「とんつー」を若い頃からずっとやっていまして、語感が気にいっています。また、信号のように、国や地域を越えて世界まで広がってゆけ、という気持ちを込めています。いや、広がっていくのではありません。広げて行くんです(と、大きく出てみます)。

c Kanta Horio.jpgゆっくりゆっくりにはなりますが、人の手に渡り、愛される、良いものたちをリリースしていきたいと思っています。福岡の片隅よりまずは2つの作品から始めました。今後の展開も期待しつつ、どうぞお見知りおきください。

とんつーレコード 小山冴子
WEBサイト:http://03150.net/tontuu/

(写真:堀尾 寛太作品)



Maher.jpg
(写真:『マヘル・シャラル・ハシュ・バズ』ライブ)








とんつーレコード出版物:
アメリカまで
〈DVD〉○(しろたま)



〈DVD〉○(しろたま)

★様々な時間が詰め込まれた映像作品「時間のそこ」と、様々な音の粒が詰め込まれた音楽CD「サントラ」のセット。一人の音楽家と、彼を取り巻く人々、音の記録。耳が開けば、見える世界も変わってくる。超特殊装丁!!

[2009年11月/DVD=52分  CD=44分/¥3,000] 著=梅田哲也 発行=とんつーレコード



8月7日、『レッツゴー!!おスナック』(青林工藝舎刊行)発売を記念してお東陽片岡先生が模索舎にて16時から19時まで「おスナック」を臨時営業しました。
 
touyou_01.jpg店内を「おスナック」風にということでお客さん用に椅子を設置、スピーカーからはお東陽先生が用意されたムード歌謡が流れます。
常連のお客さんからは「いつもと違う模索舎だね」と言われました。
一応「おスナック」と銘打っているもののお酒は出さず、来ていただいたお客様にソフトドリンクを用意しました。
 




店内にお客様がいっぱいになったところでお東陽先生はトークを開始、「アローナイツ」や「サザンクロス」などのムード歌謡が流れる中で、お東陽先生作品の逸話やおスナックの話、ムード歌謡からオートバイの話までお東陽節で話題が尽きることなくポンポン進みます。
 
touyou_02.jpg途中、たまたま「漫画家バンド大戦」のチラシを置きに漫画家の三本美治さんが来店。
10月に行なわれ、お東陽先生も出演される「漫画家バンド大戦」の宣伝とお客様一人一人にチラシを配っていきました。
 













touyou_03.jpgトークがひと段落後、サイン会が始まりました。
お東陽先生は一人一人と会話を交わし記念撮影しつつ、
ご自身のサインのみならず鼻毛の一本までイラストを丁寧に一冊一冊描いていただきました。
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サイン会終了後、青林工藝舎の皆さんやお東陽先生の昔からの知人の方と一緒におスナックではないものの、近所のさくら水産でシアワセのグレープフルーツサワーで乾杯しました。

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 当日お越しいただいたお客様、青林工藝舎の皆さん、そしてお東陽片岡先生、本当にありがとうございました。(エノ)







 





レッツゴー!!おスナック

おスナック通い苦節20年、お東陽先生が身銭を切って開拓したディープな世界を、ほとばしる煩悩で描いたシビレるお漫画49本!!//東陽片岡コラム「メッタメタおスナック歌謡道講座」/「グレース」美人ママインタビュー/最長老の??流し?$V太郎さんインタビュー

[2010年7 月/A5/176頁/¥1,100+55] 著=東陽片岡 発行=青林工藝舎

〈武蔵野ヘルスセンター あらみさん〉



ミニコミと酒

1: では、呑みながらですが、宜しくお願いします。

あらみ:あ、それでは、宜しくお願いします。

1: まず、武蔵野ヘルスセンターっていう名前がいいですよね。

あらみ:ああ、ありがとうございます。

1: やっぱり、体調のこととか重要ですか?

あらみ:そうですね。未だに鍼灸に 通ったりして、いろいろ試行錯誤はしてるんですけど、たぶん、呑まなければ一番早いような気がするんですけどね。

2: はは。やっぱりお酒好きですか?

あらみ:はい。

2: 呑まない日はありますか?

あらみ:週に2日 ぐらいは呑まない日は作ってるんですけど。

1: そもそも武蔵野ヘルスセンターっていう名前はどっからきたんですか?

あらみ:これはですね、いま『週刊車窓』を置かて もらっている古本酒場コクテイルさんっていうところのご主人が、ブログで船橋ヘルスセンターっていうのを紹介してたんですね。要は、昔のヘルスセンターっ てお風呂に入れて、卓球ができて、こう、必要なものがちゃんとあるっていうか。ブログでは、船橋ヘルスセンターのコマーシャルソングのことまで書いてい らっしゃったんですね。それでヘルスセンターのどこか貧乏臭いところがいいなあと思って、それで今住んでいるのが武蔵野近辺なんで、ふたつをくっつけてっ て、それだけですね、はい。

1: 武蔵野ヘルスセンターはあらみさん1人?

あらみ:そうなんですよ、実質1人。

1: それは公開してるんですか?

あらみ:一応『週刊車窓』は、車窓課の人が書いていることになっていて、あんまり1人が 書いているっていうのを特定されたくないなっていうのがあったんですけど、まあわかる人にはわかってしまいますね。ただ、対外的には車窓課の人が書いてい るっていうことになっています。

2: あらみさんっていうお名前は?

あらみ:あらみは好きな3人の人から取っていて、新 井英樹と岡田あーみんと、R...まあ、その名前をごった煮にしたのがあらみなんです。

2: へ〜。

1: いつからですか?

あらみ:1号(『どくろく』)を出したときからですね。

1: 模索舎にもう1号が無くて、えっと2号が2008年ですよね。 1号ってその1年ぐらい前ですか?

あらみ:たぶん、1年か半年ぐらい前だったと思います。お酒で大失敗したのが書かれてい るのが1号だったと思うんですけど。そのお酒で大失敗したのが、2007年 か6年だったと思うので、2007年ごろに『どくろく』1号は作っていると思います。

2: お酒の大失敗は結構あるんですか?

あらみ:いま、お酒を扱っている会社にいるんですけど、そうなるとお酒の試飲会みたいの があるんですよ。で、一番やっちゃいけないんですけど、そのときはその場でスッゴイ酔っ払っちゃって、で、会社に帰らないで、気がついたら井の頭線の吉祥 寺駅のトイレにいたんですよ。

1: 記憶はよくなくなるんですか?

あらみ:酔っ払うと必ず記憶なくなるんですよ。これがその(2号を指して)千葉のやつな んですけど。

1: 東葉勝田台まで行っちゃったわけですか。笑

あらみ:そうなんです。笑

2: 気がついて反省して、これは直そうと思うことは?

あらみ:気がついて反省したときは、もう酒を止めるなり、酔っ払わないようにしようと思 うんですけど、いくらやってもできなかったので、そしたらもうそれをネタにして、ミニコミを作っちゃえばいいじゃんみたいな。そうすると、バカはやるけ ど、そのぶんこう、メリットがあるというか、穴ができたら穴を埋めることはもう不可能なので、掘った分の土で山を作れば山の方に人の目はいくかもなってい う……

2: あ〜あ。

あらみ:苦肉の策ですね。


ミニコミの制作と内容、体調

2: これまで冊子を作ったことはあったんですか?

あらみ:ないですね。2号からはindesignを使うようになりました。

1: それはもう独学ですか?

あらみ:昔ちょっと、パソコンソフトのマニュアルの編集をやっていたことがあって、ペー ジメーカーとかは使ったことがあったんです。それがちょっと活きてるかもしれないですね。

2: 中を見たら、けっこう凝ったつくりになっていたんで、編集関係の方じゃないかと思ったんですけど。

あらみ:出版に関わったといえばそのマニュアルづくりぐらいですね。

2: それでこれだけ作れるのは、すごいですね〜。

あらみ:いまindesignと かすごい機能が優れているので、素人が作ってもそれなりにレイアウトができるんですよ。

1: それから、ルポが多いですよね?

あらみ:そうですね。というかそれ以外できないんですよ。

1: じゃあ、基本的に自分の体験を中心にしてるんですね。

2:1 号を作ってみて、面白かったですか? どうして孤独死のこととか書こうと思ったんですかね?

あらみ:そうですね、作ってみて面白かったし、なんか、自分の中でたとえば孤独死するか もしれないなっていうのを、具体的に孤独死にいたるプロセスと対策みたいのを考えてみたりして、自分のためになったっていうのはありますね。

1: 特集「みんなどっか調子が悪い」の「暗いグーグル検索」は面白いですね。

あらみ:意外とそれ評判がいいんですよー。

1: なかなかここに目をつける人もいないですからねー。

あらみ:ありがとうございます。

1: あと産婦人科ルポは凄いですね〜。

あらみ:男性の方にそういっていただけると嬉しいです。

2: こういう内容でいこう、というのはどうやって考えるんですか?

あらみ:まあ、すごく自分の生活で印象に残ったことというだけなんです。たぶん、 『日 経ウーマン』とか明るい雑誌だと、「漠然と調子悪い」とかいっても、「アロマをやろう」みたいな明るい解決策になると思うんですけど、ああいうのを見ても 私は全然現実感がわかなくて、単純に、地味な社会人が体調の悪さに七転八倒しているんだけど、結論として、特に体調がよくなるわけでもなし、みたいな、そ ういう雑誌があればいいなと思って……あれ、なんでこんな話になったんでしたっけ?

2: 内容は〜?

あらみ:ああ、だからその時々で一番自分が求めている内容というか、他の雑誌ではそんな のやってくれないっていう内容をやってるんですね。

2: 『日経ウーマン』では救えない人にむけて。

あらみ:ほんと思いますよ、『日経ウーマン』じゃ救えないって。でも、どの雑誌社も『日 経ウーマン』を読むような人をターゲットにして雑誌を作るだろうし。

1: 月にいくらか払うとネットで病気の診断をしてくれるというサイトのこともありましたね。あれは、初めて知りました。

あらみ:あれはある程度続けて止めちゃったんです。そんなに体調がおかしいなら病院に行 きますし。

2: 体についてよく特集するのは、体調のことを普段から気にかけているからですか?

あらみ:いわゆる健康オタクっていうのではないですし、なんていうんだろう、特にどこも 痛くなく、毎日を普通に過ごしたいだけなんです。どっかしらこう、あの3号にも書いたんですけど、 下半身がダル重いな、みたいなことがあって、そういうことの解決策を模索しているというか。

2: 決定的にどこか悪いわけでもないのに体がだるい、ってありますよね。

あらみ:そう、一番辛いんですよ。病院に行っても、数値は普通だし、どこも悪くないって いわれちゃうと、どうしようもできない。逆にちゃんと病名がついて、薬で治るんだったら、その方がよっぽどいいっていうか。下半身が重いっていうのは、リ ンパ系が悪いんだと思うんですよね。そのリンパ節のところでしょうね。だからホント、人にいってもわからないだろうから黙っているけど、本人は常にだるい みたいな感じですね。そのわりには酒を呑むんですけど。たぶん、だるいから呑むんでしょうね〜。

2: あ〜あ。

1: バッチシ現代病みたいな。

あらみ:そんな感じしますよ。


自分でリポート

1: あと、話が変わりますけど、上野の児童図書館。これは、グッときますね。

あらみ:あそこはカップルが多いですから、ダメージ大きいですよ。笑

1: はは。

あらみ:親子連れも多いですけど、子どもが本を読んで楽しんでいるというより、子どもを 連れてきている大人が楽しんでいる気がします。

1: 『どくろく』にしても、『週刊車窓』にしても、あらみさんは観察が好きですよね。

あらみ:自分では観察が好きとか、得意とか思ったことは全くなくって、観察っていうより 自分のことを書いていますよね、調子が悪いから自分で大病院に行ったりとか、人のことを見ているというよりは、自分でやってみて自分でリポートみたいな。 だから観察とはちょっと違うかなと思うんだけど、どうなんだろう。

1: みようと思ってみてるわけではないとは思うんですけど、周囲にあるもののちょっとした発見が書かれていますよ。

2: 看板とか凄い見てますよね。一瞬で過ぎ去っていくおもしろいことを見逃さない瞬発力というか。

あらみ:瞬発力ですか。あれも、 具体的に看板がどうかというよりも、すごい主観的にみてるっていうか。落としどころは自分の心情のフォローに終わることの方が多いと思います。


インタビュー

2: インタビューの申し込みをするときはどうお願いしてるんですか?

あらみ:申し込みというか、白タクの業者さんのインタビューでは、その運転手さんに2回 お世話になっちゃったんで、これはもう出会いだろうと思って、素面のときにアポイントなしで出かけていってお願いしたんです。連絡先を知らないからアポイントなしで、まずその運転手さんのタクシーにお客として乗せてもらって、私の家まで送り届け てもらうんですね。それで相乗りの人が降りていって、1人になったところを見計らって、「実は今日は、素面でインタビューさせてもらおうと思ってきたんで す」って言って。1時間ぐらいインタビューさせてもらったんですけど、今から考えるとそこで断られてもおかしくないんですけどね。

2:2 回お世話になって偶然だな、と流してしまうところを、わざわざ出かけていくのがいいですね。

あらみ:単純に、一週間とか二週間とか短いタームなのに2回も同じ白タク業者さんにお世 話になってしまう自分というのは、もうほんとにダメ人間じゃないのか、と思って。じゃあダメ人間ならダメ人間なりにせっかくこういう知り合いができたのだ から、ネタにしようではないかという……

2: 断られてしまうんじゃないかという心配は無かったんですか?

あらみ:まずきちんと「お客と業者」という立場で、やりとりをしたあとだから、インタ ビューできたんでしょうね。

もちろん勝手に録音して勝手に載せるっていうのだったら、向こうもすごい心外だろうし。 だから最初に、実はこういうの雑誌を作っていて、2回もお世話になってしまったのでお話を聞かせてくださいってお願いしました。でも、白タクさんのインタ ビューが載った雑誌をまだご当人に渡してないんですよ。

2: はは。みたら何て言うでしょうね〜。

あらみ:どうでしょうね〜。その時は1号をみせて、こういうのを作っているのでインタ ビューを2号に載せたいと言ったんです。

21号をご覧になって、白タクの運転手さんは何か言ってましたか?

あらみ:覚えてないけど、たぶんコメントに困っていたと思いますよ。

2: ははは。


ミニコミをつくること

1: それから篠原演芸場のおにぎりのくだりはかなり面白いですね。

あらみ:あそこはほんとにおばちゃん天国なんで。近 所にある「すみ田」のうどん、うまいですよ。

1: やっぱり基本的に自分の周りのことを中心に作ってますよね。

あらみ:そういうミニコミの作り方をするのって、女性に多いと思うんですけど。男性っ て、わりと主観というか、自分の考えをさらけだすのって恥ずかしいという思いがある気がします。男性だと自分で自費出版でミニコミなんかをつくること自体 が恥ずかしいっていうのがあるかもしれないですね。本を出すっていうのはそもそも誰かに書いてほしいと頼まれて出すものだろ、というブレーキが、男性と女 性でいえば男性の方が強い感じがあります。女性がつくったミニコミだと、『愛情通信』とか『精神病新聞』とか、あれらも誰からも頼まれてなくって、自分の 身の回りのことしか書いてないんだけど、でも面白い。それで需要があるっていう。そういう頼まれてないのに自分のことを書いて本にしちゃうっていう突破 力っていうのは、女性の方がある気はするんです。男性でも文学フリマとかでミニコミを出している方もいますけど、評論とか、結構きっちりしているものとい うか、作品としてちゃんと世に出すっていうのがあるかと思うんです。私みたいな日記のようなグダグダし たものを出しちゃったりとかいうのは、どっちかっていうと女の人の方が多いのかなっていう気はします。

1: 『精神病新聞』の小林さんとかお知り合いなんですよね。

あらみ:絵理子さんがパン屋に勤 めていたとき、シエロっていうのがパン屋さんの名前で、そのときに出した『シエロ通信』っていうのがあったんですけど、そこに書かせてもらったりとか。彼 女にも3号に書いてもらったり。

1: ミニコミを作っている女性同士では結構会ったりするんですか?

あらみ:そうですね、会社の同僚とかよりは、会うことがありますね。

2: ははは。会社ではミニコミを作っているのは言っていないんですか?

あらみ:それはあの、バレちゃいけないことなんで、文学フリマの時はビクビクしてるんで すけど。良くも悪くも、文学フリマに来るような人たちじゃないんですよ。すごいまともな人たちなんで、だから社内でバレないっていうのはいいんですけど、 逆にそれだけ気が合うってわけでもないんで。

2: これだけ面白いと広めたい気もしますけど。

あらみ:一度、上司というかリーダーの人にみせたんですけど、ものすごいひかれました。 そのひとは「日経系」の人だから。

2: 言ってみようと思ったのは、もしかしたらわかってくれるかもしれないという予感が?

あらみ:そうですね。まあ、その人のことが好きだったんですよ。だからよくある暴走ですけど、あなた宛てにつくってみました、みたいな感じで。それで2号は上司宛てだったんですよ。で、そ れを渡したらば、ドン引きされたと。今から考えると「こんなことをされたら誰でもひくよな」とは思 うんですけど、そのときはわかんなかったんですね。


つくり続けるということ

2: 内容は『どくろく』と『週刊車窓』で使い分けてるんですか?

あらみ:『どくろく』は、テーマは1号ずつあって、それに沿ったものを載せてるんですけ ど、『週刊車窓』はどうだろうな〜。

1: 日記ですよね。

あらみ:そうですね、日記ですね。たとえば、こういうことを明治とか大正時代の冴えない サラリーマンのおっさんが書いてたら、後から読んだら面白いと思うんですよ。やっぱりその、言ってることはたぶん同じはずで、会社が辛いとか、オイル ショックで大変だ……とか。そういうホントに冴えない一般人の目線で語られた日記が残ってたら、 ちょっと面白いですよね。私はそういうのを読んでみたいっていう思いがあるから、そんな感覚で作ってるのかなあ。

1: 『週刊車窓』は観察してるっていう意識が強かったりしますか?

あらみ:同じ景色を見ている人がたくさんいるっていうのを前提に、なんだろうな、そのと きの空気っていうのを共有できたらいいなっていうのはありますけどね。車窓の向こうに見えるビルに貸し広告が多くなれば、「不況だよね」ってわかりあえる かなって。

2: 作るのが苦になることっていうのは?

あらみ:作るのが苦になることはそんなにないんですけど、日曜日に出すことにしていて、 普段は日曜日に予定とか無いんですけど、たまに日曜にやりたいこととかあったときに『週刊車窓』に時間が割けないことが最近は少しあって。まあ、もうそろ そろ100号になるんで、発行曜日を週の真ん中にしようとも思うんですけど、たぶん誰も気がつかないでしょうね。まあ、それぐらいですか ね。逆に、書かないと辛くなると思いますね。出せなくなるほうが辛い。


印刷のこと

1: 『どくろく』は何部刷りですか?

あらみ:1号が100で、2号が200で、3号 が遺品整理屋さんにインタビューしたっていう経緯があって、その遺品整理屋さんが自分のところで配りたいって言ってくださって、ホントは300刷る予定で、100部はあちらがもってくれるってことだったんで合計400刷りました。

2: うなぎのぼりで増えてますね。

あらみ:いやあ、でも在庫がはけるかっていうと、辛いですね、やっぱり。『週刊車窓』も200がちょうどいいっていうのが、4号まで出してやっとわかりました。 1号で100冊はすぐにいけると思うんですけどね。

1: この総集編(『週刊車窓』)は?

あらみ:これは4号が200刷ってて、2号、3号が300で、 1号は何を考えたか500刷っちゃったんですよ。

1: ちょっとがんばっちゃったんですね。

あらみ:ちょっと理解できないんですよ、我ながら。自宅はもう在庫に潰されそうなんです よね。押入れとかに入れてある在庫がすごい勢いで周りを圧迫してるんで。

2: 読者からの声はありますか?

あらみ:たま〜にありますね。やっぱり「車窓」みてくれた人から、「記事にあったあれ、 見ましたよ」って言われるのはすごいうれしいですね。「あの看板、見ましたよ」とか。


店のおばちゃん:はい、白波ロックとホッピー。


これからのこと

2: 『どくろく』で、読者から「その気持ち、わかる」みたいなことを言われたことは?

あらみ:あー、やっぱり同い年ぐらいの同年代の女性とかから、「やっぱ辛いよね」みたい な感想はありますけど、同感してくれるっていうよりは単純に面白がってくれるほうが多いかな。あとさっきも言ったんですけど、「暗いグーグル検索」が意外 と面白いって言ってもらえるんですよね。私としてはこれを出したことで知り合いはすごいひくだろうなって思ったんですけど、わりと知り合いも受け入れてく れいるし。

2: 誰かと一緒に作ってみたいっていうのはないんですか?

あらみ:あります。全然実現に至ってないんですけど、例のミニコミをつくっている『愛情 通信』のヨンコさんとか、『精神病新聞』の絵理子さんと か、あと、いま飛ぶ鳥を落とす勢いの『むだにびっくり』の田房永子さんたちと何かしたいって考えているんです。たぶんずっとそ れぞれがミニコミを作り続けるっていうのはなかなか難しいだろうし、いま同時並行でミニコミを作っているのはこの時期ぐらいしかないだろうから。あの、 『テレクラキャノンボール』っていう、まあ、AVがあるんですけど、東京から九州までを女の子をナンパしながら移動して、どれだけヤレたかで点数を競い合 うっていう内容なんです。すごい傑作なんですけど、それと似たようなことをやりたいと自分の中で盛り上がっていて。「ミニコミキャノンボール」ってこと で、ミニコミ作ってる女の子って自称モテないって宣言している人がほとんどなので、東京からどっかまで行く間に、どれだけヤッテもらいたいと言われたかを ポイントにしていくってことをやってみたくて。話はもちかけたんですけどまだ実現には至らず、です。いつか、さっき名前をあげた方々とは絡んでみたいです けどね。お互いのミニコミに寄稿しているっていうのはもうやってるんで。そのメンバーで一冊合同でつくるっていうのはまだないと思うから。

1:4 人で集まって座談会をやってみるのも面白いかもしれないですね。

あらみ:あー、座談会っていうのも面白いかもしれないですね。


1: あらみさんはいつ頃からミニコミを読み始めたんですか?

あらみ:ミニコミを作り始めたぐらいからだから、ミニコミ歴は短いですよ。『精神病新 聞』も話には聞いてたんだけど、実際手にしたのは、たぶん『どくろく』を出す前の文学フリマだから。

2: 一般の本とかは結構読まれるんですか?

あらみ:それはないですね。全然読書好きではないと思います。

2: パソコンでいろいろ検索して読むのが好きとか?

あらみ:ネット好きではありますね。

1: ググッてるわけですね。笑

あらみ:やたらググッてます。笑

2: 最近、ミニコミで面白かったのはありますか?

あらみ:こないだの漫楽園のミニコミフリマに出てた『寂聴』が面白いですね。寂聴があん なに泥臭くて、常に「膝が痛い」とか言ってるとか、すごい面白かったですねー。

笑いが大事というか、やっぱり、書かないとどうしようもないという感じが面白いですね。 その点でさっき挙げた絵理子さん、ヨンコさん、田房さんの3人っていうのはみんなあてはまると思う んです。みんな余裕があってほっこりミニコミを作っているタイプではないと思うんですよね。日常生活では辛いことがあるけど、辛いって言ってるだけじゃな くて、笑いを織り交ぜてやっていくというような。そういう点が面白いですね。



以後、呑み続く


あらみさん自ら紹 介する『週刊車窓』(『模索舎月報2009年10月号より』)




週刊 車窓 2009年7月〜12月分ぜんぶ+α 吉祥寺―中野間の車窓風景をボンヤリ眺めるフリーペーパー

目次:この本を見てできること/週刊 車窓 2009年7月〜12月分/湾岸車窓 ゆりかもめの車窓風景をボンヤリ眺める特別版/あとがき

[2010年5月/A5/60頁/¥500] 編/発=武蔵野ヘルスセンター 車窓課

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