2013年9月アーカイブ



 2年ぶりくらいにウメてみます。〈ウメウメ書評〉は本来的には徒然なるまま「チラシのウラにでも書いておくべきことども」、すなわち「チラウラ」であります。が、書店のブログでもある、 ということは販売している本の宣伝、すなわち「チラシ」でもあるわけです。ということは、「チラシのウラまでチラシ」ということになるわけです。ナウい言い回しだと「ステマ」なのです。ということを勘案しつつ読んでいただけると幸いです。

 

…ラーメンごときに何時間も並ぶのか?と訝しがる団塊保守層も多いが、戦後暫くで既にラーメン屋は行列を作っていたのだよ。-『デウスエキスマキな食堂13年夏号』より

 

 『デウスエキスマキな食堂13年夏号』によると、ラーメンが国民食となったのは戦後屋台からで、当時の食料事情も相まって行列ができていたそうな。最近引退を表明した宮崎駿なんかも「ゼイタク品は並んで買う位でちょうどいいんだ」とかなんとか言っていた気がする(記憶曖昧)。宮崎駿は1941年戦中生まれ、彼のような偏屈もの?にとっては並ばないで何でも手に入る世の中の方がいかがわしいのだ!

人は案外並ばない。ちびっことか全然並ばない。それでもなんとか学校の先生がなだめすかして「小さく前へ倣え!」とか教え込んで何とか並ぶのを憶える。そもそも、人はいつから「並ぶ」ようになったのか?藤原書店とかから『行列の歴史』P500とかの大著がありそう(で、ない-多分)。

人が並ぶ、しかも見ず知らずの人びとがお互い物も言わず、食を求めてお行儀よく並ぶ、というのはたぶん都市人口が増大し、銭を払ってご飯を食べる、というのが常態化しているのが前提のはずだ。産業革命以降の都市人口の増大は慢性的な食料不足を引き起こす。飢えたる群衆は怒れる群衆だ〜A hungry mob is an angry mob!-byボブ・マレー!ということで、古今東西どんな権力者にとって食料問題は最重要課題であるのですが、とりあえず、お救い小屋とか作っておかゆとか振る舞っていると、怒れる群衆が「並んで」くれるのだ。人を自発的に並ばせる力-それを権力と言う。ただし、油断は禁物だ、これは非常に剣呑な状況で、彼らがいつまでも黙って並んでいてくれる保障は無い。彼らは潜在的暴徒なのだ!

 スーパ—にいけば商品がうずたかく「並んで」いる。商品が並べば並ぶ程、人は並ばずにすむ。人を並ばせるより商品を並ばせる方が「安全」なのだ。商品は暴動を起こさない!(商品管理意味する「ロジスティック」は軍事用語-兵站-の転用なのだ)。原発事故など無かったかのようにあいかわらず自販機はそこかしこに立ち並び、コンビニエンスストアは24時間煌々と灯りを点し「開いててよかった!」-大量生産の工業製品はもとより、農産物に至るまで、一見自由な消費行動が保障されているように思えたとしても、並ばずに欲しいものが手に入る社会においては我々があらかじめ「並ばされてしまっている」のだ。

※人びとをあえて「並ばせる」ビジネスについてはそのうち書く、かも。

文責:ひ。

 

 

背脂番付〜セアブラキング デウスエクスマキな食堂13年夏号

…全て背脂!! 食いに食った60店以上から秀逸の39杯(うち現存店35店)、その殆どを脂多めで完全カラー掲載。

[2013年8月/B6/48頁/¥735] 著=苅部山本 発行=山本晋

正直、個人的には『ラーメンごときに何時間も並ぶのか?』とか思ってしまうタチなのですが、言い負かされた気分です。くやしい…でも…

 「ラーメンごとき」と言いたがる輩を折伏せずにはいられない情熱、そして愛-ここにおいて『デウスエキスマキな食堂』は他のグルメ本とは一線を画すのだ!

 

脱資本主義宣言 グローバル経済が蝕む暮らし

[2012年6月/四六判/219頁/¥1,200+60] 著=鶴見済 発行=新潮社

「脱資本主義」のための入門書。読みやすいです。ただし、あとがきに「CDや雑誌は買わなくなった。本もDVDも図書館で借りるようになった」とあるのは新刊書店としてはショック!なのですが、本書は説得力ありすぎ、何ひとつ反論できやしません。くやしい…でも…

※鶴見済氏は最近自然農にハマっている模様。

詳しくは『ぐうたら自然農体験』(『Spectator 第28号』特集=野生のレッスン掲載)

 

肥満と飢餓 世界フード・ビジネスの不幸のシステム

[2010年9月/四六H/427頁/¥2,600+130] 著=ラジ・パテル 訳=佐久間智子 発行=作品社

 大豆などをはじめとするアグリビジネスなどについてかかれております。スーバーで並ぶ加工食品用商品の3/4に大豆が使われているそうな。大豆は現代フードシステムを象徴する作物なのだ。

学校給食の定番「ひじきと大豆の煮物」に敗戦国の屈辱を味わい、でっかい冷蔵庫とトースターのあるアメリカナイズされた生活に憧れた世代-そんな世代があるのか?というむきもあるがあることにして-そんな彼/彼女等が熟年を迎えた頃、日本は豊かに(アグリビジネス浸食されつつ)なり、あれほど憧れたアメリカでは「ロハス」やら「マクロビ」やらが大流行…いまさら大豆かよ!

 


戦争と飢餓

[2012年12月/四六H/600頁/¥4,500+225] 著=リジー・コリンガム 訳=宇丹貴代実/黒輪篤嗣 発行=河出書房新社

食糧をとおして第二次世界大戦を考察しています。戦時の代用食としてマーガリンが普及し、それにともなって大豆が増産されていったそうです。



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