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『同和と在日』〜示現舎より



示現舎は2010年6月にひたすら同和ネタを収集するアングラなジャーナリスト鳥取ループと、政治からサブカルまで幅広く扱うルポライター三品純により発足した出版社である。毎月「同和と在日」という電子雑誌を発刊して、その名のとおり同和と在日にからむマスコミが触れたがらない話題を現地取材と行政文書を通して徹底取材してきた。本書はその総集編のリアル書籍版である。

環境・防災担当大臣という今まさに重要なポストにあるはずなのに、その人柄を全くと言っていいほどマスコミが触れない部落解放同盟副委員長・松本龍氏を採り上げる。さらに、同和地区住民を対象とした固定資産税減免を実際に申請してみたり、「部落出身」をカミングアウトした猿回し芸人、村崎太郎氏の実家を訪れてみたりと、少し過激な取材も試みている。同和というと関西というイメージがあるが、関東の読者にも身近に感じてもらえるよう、横須賀の同和住宅も取材した。そこで目にするのは、マスコミが作り上げてきた空想上の同和と在日ではなく、とても人間臭いリアルな同和と在日である。

はっきり言って、取材には大変な手間がかかっている。関東からはるばる中国地方や九州に出向いて、取材先で罵倒されて帰ってくることもある。その一方で、同和問題の現場は綺麗事だけではないことを知って欲しいと、進んで取材に協力していただけることもある。その苦労の甲斐があって、我ながら読み応えのある本ができたと自負している。今後も「同和と在日」に限らず「同和と在日的なるもの」を取材していきたい。

なぜ示現舎を発足させたか、その動機は「同和と在日」に向けられたものというより、メディアの現状への批判精神である。

「ジャーナリズム」がどんなものかは知らない。だが少なくともアジテーションであってはならないはずだ。ところが昨今のメディアを見るに、政治スタンスを問わずジャーナリストという方々が美しいこと、勇ましいこと、カッコいいことを声高にアジる。むしろジャーナリズムが「アジ演説」の類になってはいないか。こんな疑問を感じている。

「反権力」がどんなものかは知らない。この反権力という言葉を発する人は自民党、官僚、経団連、これらに対しての批判は鮮烈だ。他方、彼らの「反権力」や「批判精神」は特定の団体、民族、国家に向けられることはない。

ことに「同和と在日」このキーワードが関わるとき「ジャーナリズムと反権力」は機能停止に陥りがちだ。

残念ながら我々、示現舎の報道には「勇ましいアジテーション」も「美しい人権賛美」もない。ここにあるのは「人権」というキーワードに裏打ちされる暗部とファクトのみである。

もしかしたら我々の取り組みを弱者の「排除の論理」や「排外主義」と批判する人もいるかもしれない。だがそうだろうか。むしろ「同和と在日」に関わるファクトが「示現舎」という形でしか報じられない状況こそ、「排除」や「排外」と考える。むしろ示現舎こそが真の「ジャーナリズムと反権力」の実践者であると自負している。

残念ながら我々の取り組みは今世においては評価されることはないだろう。だが何十年後、何百年後かは知らない。必ずや後世の人々によって再評価されることを信じている。

同和と在日 さらばテンプレート記事 さらばなんちゃってジャーナリズム

[2011年4月/B6/152頁/¥1,200+60] 著=鳥取ループ・三品純 発行=示現舎

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