2010年9月アーカイブ



「女性の視点から性を主体的に観る」という一貫したテーマをもって300本以上のピンク映画を撮りつづけてきた浜野佐知監督。彼女の一般映画4本目となる『百合子、ダスヴィダーニヤ』が、この10月クランク・インします。
●    映画『百合子、ダスヴィダーニヤ』とは●
ロシア文学者・湯浅芳子と作家・中條(後に宮本)百合子の二人の濃密な青春時代が描かれたノンフィクション『百合子、ダスヴィダーニヤ -湯浅芳子の青春』(沢辺ひとみ著/文芸春秋/1990)と、宮本百合子『伸子』、『二つの庭』(の一部)の3作を原作とした作品です。
大正時代、湯浅芳子は女を愛する女であることを隠さずに生きました。一方、宮本百合子は、芳子との共同生活のなか、作家として充実した時間を送ります。百合子はその後、後に日本共産党書記長となる宮本顕治と結婚。プロレタリア作家として大成し、芳子との関係を明確に否定的に描いていきます。それに対して芳子は、一切反論せず、沢部ひとみさんの取材を受けるまで、真実の思いを吐露することはありませんでした。
ノンフィクション『百合子、ダスヴィダーニヤ』に刺激を受けた浜野佐知監督が、長年あたためてきた芳子と百合子の物語を、満を持して映像化します。
●    浜野佐知監督の作品DVD販売中!●
このたび、模索舎様で浜野佐知監督の過去の一般映画作品DVD『百合祭』(税込5250円)、『第七官界彷徨―尾崎翠を探して』/『こほろぎ嬢』(2作品組・税込8400円)の2本を取り扱っていただくことになりました。この2本の売り上げは『百合子、ダスヴィダーニヤ』制作費にあてられます。

●●『百合子、ダスヴィダーニヤ』(平成22年度芸術創造活動特別推進事業)●●
【キャスト】
中條百合子役:一十三十一、湯浅芳子役:菜葉菜、荒木茂役:大杉漣
吉行和子、大方斐紗子、洞口依子ほか
【監督】
浜野佐知
【製作】
株式会社 旦々舎

【関連URL】
公式ブログ:映画『百合子、ダスヴィダーニヤ』を支援しよう!http://d.hatena.ne.jp/hamanosachi/
旦々舎 http://www.h3.dion.ne.jp/~tantan-s/

twitter
映画『百合子、ダスヴィダーニヤ』http://twitter.com/yurikoyoshiko
湯浅芳子・宮本百合子 http://twitter.com/yoshiko_yuriko
浜野佐知監督 http://twitter.com/hamanosachi

mixi
「映画/百合子、ダスヴィダーニヤ」コミュニティ http://mixi.jp/view_community.pl?id=4998832
【浜野佐知監督を支援する会事務局】
〒283-0802 千葉県東金市東金1407-4 雑貨&カフェ ルバーブ内(11:00〜20:00・火曜定休) TEL&FAX: 0475-53-2323 e-mail:yurikoyoshiko@gmail.com



〈DVD〉百合祭 Lily Festival

キャスト:吉行和子 ミッキーカーチス 正司歌江 白川和子 中原早苗 原知佐子 大方斐紗子目黒幸子//タブーだった老年女性の性愛をカラッと描いて、日本中に衝撃を与えた映画が、ついにDVD化! モントリオール国際映画祭で笑いの渦を巻き起こし、トリノ国際女性映画祭では準グランプリ受賞、その ほか香港国際映画祭、台湾国際女性映画祭など、ニューヨーク、ロサンゼルス、ミネアポリス、シカゴ、パリ、ボルドー、ミラノ、アンカラ、シドニー、サンパウロ、ベルリンなど、26ヶ国・57都市で上映され、今も世界中で引っ張りだこ。国内では男女共同参画センターや女性センターなどを中心に上映され、熱い議論の的になる。年をとったこと、女性であること、の二重のカセで封印されてきた老年女性の性愛が、女性監督浜野佐知の手で今、解き放たれた!

[2010年5月/100分/¥5,000+250] 監督=浜野佐知 発行=旦々舎

『野宿入門 ちょっと自由になる生き方 』



『野宿入門』は、あの手この手で、あれやこれやと、「野宿をおすすめしよう」としている本です。
なぜおすすめするかというと、「あなたが野宿をすると、きっといいことがあるのではないか」と、わたしは思うからです。誰にいいことがあるのか。それは、わたしに、ある。
体感として、野宿を一度でもしたことのあるひとは、したことのないひとより、野宿をしているひとに、ちょっとやさしい。親近感がわくのか、なんとなく暖かい目で見てくれるような気がするのです。
すると、好んで野宿旅行をしたり、酔っ払うと家に帰るのが面倒くさくなってその辺でごろんと寝ちゃいたくなるわたしには、とても助かる。多くのひとがどんなものかと野宿をしてみて、野宿をしているひとに理解を示してくれるようになると、とっても助かるわけです。
などと書いていくと、これはもー、じぶんのことしか考えていないようで、よくない。
 
なので、話を変えたいと思います。
 
ええっと、これまで、わたしは「野宿に特化したハウツー本」というものを読んだことがなかった。ので、そういうものを書いてみたいと思いました。
それで、書き始めた。いちおう、なんらかの野宿のコツを、スバラシイ野宿のやりかたを、みなさまに、お教えしよう、なんて、考えたのです。生意気です。
でも、書こうとしたら、そんなにたくさんコツを知っているわけでもないし、なにより、書いてゆくうちに、そういうことを書こうとすることが、めんどうくさくなった。なんて書いていくと、今度は、ぜんぜんやる気がなさそうで、よくない。
 
ので、言葉を替えたい。だから、替えます。
 
ええっと、教えられたって、教えられその通りやってみたって、ツマラナイのではないか、と、思いました。
やっぱり、なんでも自分で考えて、好きにやってみたほうが、面白いのではないか。
だから、あんまりためになることを書くのはやめることにしました(けっして、書けなかったからではないのです!)。それで、わたしは野宿が好きだ、というようなことも書くことにしました。すると、どんどんどんどんぐだぐだしてきて、なんだかよく判らない本になりました。
 
とはいえ、もしかして、読んでくださったら、もうちょっとはきはきした本かもしれませんし、役に立つことも書いてあるかもしれません。わたしには判らなくとも、あなたには判る本かもしれない。
だからぜひとも、読んで、いや、読まなくてもいいので、どうかどうか、買ってください。
あなたが買ってくださると、とってもいいことがあるのです(わたしに)。
できれば、模索舎さんで買ってください(わたしだけでなく、模索舎さんにもいいことがあって、わたしが嬉しいのです)。
というわけで、人助けだとおもって、どうかどうか、『野宿入門』を、宜しくお願いいたします。
(かとうちあき)
 


野宿入門 ちょっと自由になる生き方

不況でも、雨の日でも、いくつになっても…寝袋ひとつあれば、生きられる。そう思えば、今よりちょっとだけ強く生きていける、かも?//目次:1. 野宿のはじまり/2.野宿グッツ/3.積極的野宿のススメ/4.その先の一歩/5.野宿の疑問、こんなときあんなとき

[2010年10月/B6/223頁/¥1,050] 著=かとうちあき 発行=草思社

植草甚一さんについてちょっと語ってみようか。




1908年(明治41年)8月8日、木綿問屋の長男として生まれたある一人の男。名を植草甚一という。後に人をして『元祖雑学王』だとか呼ばれて多くの文化人に影響を与えた「すごいじいさん」である。
私が初めて植草甚一さんに出会ったのは『ジャズ・エッセイ2』(河出文庫、1983年)でのことだった。ジャズ評論家の岩浪洋三さんがこの本で解説を書いているのだが、そこに面白いことが書かれていて、心にグサリと突き刺さったので引用してみたい。

「昔植草氏を訪ねた江戸川乱歩がその蔵書の量をみて、おれより凄いやつがいるといって驚いて帰ったそうだが、一時世田谷の赤堤のお宅は本だらけで置場に困った揚句本を二段に重ねてその上にふとんをしいて寝ていたそうだ。寝床に入ってからでもふとんの下からひょいと本を引っ張り出して読めるから便利だといわれたが、ちょっと真似のしようがない。…」(p.258より)

 1935年27歳の頃から1948年40歳の頃まで東宝の社員として働いた植草甚一さんは、映画や海外小説の評論家として徐々に世の中に知られていくようになっていったが、まさにキチガイなほどの本の蒐集家としても有名である。そんな植草さんの人柄を端的に表したこの文章を読んだときに私はこともあろうか、『自分もこうなりたい!!』と思ってしまったのである。それ以来私も古本キチガイになってしまった(苦笑)。
 
   ・           ・           ・

 少し前に、日本人の哲学者として有名な木田元先生の『闇屋になりそこねた哲学者』(ちくま文庫、2010年)という本をふと好奇心から読んでみた。すると木田先生が特に親しくしていた学者や知識人の中に、ある二人の人物の名前が挙がっていた。そのうちの一人は小野二郎、そしてもう一人は佐伯彰一である。小野二郎さんは1960年に中村勝哉氏とともに晶文社を設立し、晶文社の編集長を務めたことでも有名な人物かと思うが、よくよく考えてみると植草甚一さんの著書の多くがこの晶文社から出版されているのである。つまり、植草甚一さんにとっても小野二郎という人物はまさに「盟友」であったということが見えてくる(ちなみに1968年に晶文社から出版された『モダン・ジャズの発展:バップから前衛へ』には「小野二郎氏に」という献辞が添えられている)。

植草甚一さん.jpg
もう一人、英文学者の佐伯彰一さんは東大を定年退職された後、中央大学で教鞭をとっていたため、木田先生はその関係から同じく中央大学で教鞭をとっていた際に親しくさせていただいていたという。なぜわざわざ佐伯彰一さんの名前を挙げたかといえばつまり、2007年に世田谷文学館で行われた「植草甚一展」の際に販売されたパンフレットに序文を寄せていたのが何を隠そうこの佐伯彰一さんだったからである。
こういったところから、私は哲学者木田元さんと雑文学者植草甚一さんという全く畑の違う二人の人物の意外な「つながり」を感じずにはいられないのである。

先に挙げた植草甚一展の際に発売されたパンフレットには、植草さんが亡くなられる前年、つまり1978年の『ユリイカ』(青土社)の植草甚一特集号に掲載された記事が再収録されているし、同じくパンフレットに掲載されていた原稿写真の中に『血と薔薇』という雑誌に宛てて書いた原稿の写真が掲載されていた(左写真がパンフレット表紙)。『血と薔薇』といえば、フランス文学者の澁澤龍彦が責任編集を務め、三島由紀夫や稲垣足穂、塚本邦雄など錚々たる執筆者を迎えて1968年に創刊された「エロティシズムと残酷の綜合研究誌」だが、植草さんはこんな雑誌にまで記事を執筆していたのだ。よくよく考えてみると確かに植草さんは海外の同性愛モノやマスターベーションなどをテーマに書かれた小説なんかも読んでいたようなので、果たせるかなそのような小説に関する内容の原稿が掲載されていた。こういった「発見」も、もし私が植草さんに触発されて古本の蒐集をしていなかったら決して出来なかったことだなと思い、すっかり嬉しくなったのを覚えている。

さて、植草さんといえば、晶文社から発売されている『スクラップ・ブック』が有名だが、全40巻のうちの第32巻『小説は電車で読もう』(1979年)では作家の筒井康隆氏が解説を書いている。私は特にこの筒井康隆という作家が好きなのだが、彼の著書『みだれ撃ち瀆書ノート』(集英社文庫、1982年)には、この解説文が再録されていて、ああ、こんなところにも植草さんが顔を出していたのかと感動したものだった。
つい最近、ノンフィクション作家として有名な沢木耕太郎の『バーボン・ストリート』(新潮文庫、1989年)というのを購入してパラパラっとページをめくっていたら、目次に目が留まった。「ぼくも散歩と古本がすき」という章があり、ああ、これは植草さんの『ぼくは散歩と雑学がすき』(晶文社、1970年)という著書のタイトルを文字ったものだなと思うと、大当たり。中を読んでみるとやはり植草さんのことが書いてあった。その中で植草さん本人の文章が引用されているのだが、そこで「遠藤」という名前が出てくる。これは植草さんが生前住まわれていた経堂のすずらん通りにある『遠藤書店』という古本屋の名前を指している。今回の雑誌を発行する際に実際に遠藤書店にお邪魔して現在の店長遠藤晃一郎さんにも少しお話を伺ったが、植草さんは週に3度も4度も足を運んだという。
何の因果か、その遠藤書店にもうちの雑誌を置いてもらえることになった。これはきっと神の…いやいや、そんな罰当たりなことはいえない、植草さんのお導きなのだなぁと、ただただ恐れ入る今日この頃である。
(文:編集長 野上郁哉)



植草甚一ぼくたちの大好きなおじさん J・J 100th Anniversary Book

目次:<ロングインタビュー>植草甚一の秘密/植草甚一肉声収録CD付き/他執筆陣:浅生ハルミン/阿部嘉昭/大谷能生/岡崎武志/荻原魚雷/小田晶房 /小田島等/小野耕世/恩田陸/春日武彦/鏡明/岸野雄一/北沢夏音/北山耕平/近代ナリコ/杉山正樹/樽本樹廣/千野帽子/筒井武文/萩原朔美/秦隆司 /福田教雄/前田司郎/安田謙一/山崎まどか/ほか

[2008年8月/B5/173頁/¥2,200+110] 編=晶文社編集部 発行=晶文社

とんつーレコード



 福岡にアートスペース・テトラという場所があります。福岡市博多区の、割と歴史深い地域にあります。博多では7月15日を最終日とした『博多祇園山笠』というお祭りが、一説によると400年ほど続いておりまして、櫛田神社から出発して神輿を担いで地域を走る、そのタイムを競う祭りなのですが、そのゴールが石村萬盛堂という老舗のお菓子屋さんの本店なのです。その裏手にあたりますが、三軒長屋の真ん中を借りまして、何人かで家賃を割り勘しつつ、運営しています。お察しの通り自主運営という名の自腹のやつです。ちなみにメンバー募集中です。福岡の中心、天神から徒歩10分の好立地。そこではライブイベントをしたり展覧会をしたり、トークイベントだったり、ゆるゆるかつコアな即興のイベントだったり、勉強会だったり、日々様々なイベントが行われています。様々な人が交差する場所です。

tetra.jpg(写真:アートスペース・テトラ外観)
 
そのような中で、また、個人的な活動の中で、稀に出会う『本物』。何と言い表していいか分からないほど面白い人がふいに現れたりします。見ていくうちに頭角を表す人が居ます。話しているうちに一緒に何か始めてみようということもあります。この人と一緒に何かしたい、こんな面白い人の作品を広めないのは罪だ、こいつの言葉は今こそ世にださなければ!そういう気持ちから、『とんつーレコード』は始まりました。土地柄か「とんこつ」とよく間違えられますが間違えないでください。テトラのではなく、私個人のレーベルです。申し遅れましたが私、小山と申します。
 とんつーというのは、ある年代までの方々にはすぐに分かっていただけるのですが、「モールス信号」のことです。残念ながら私はその「ある年代」の方ではないようなのですが、うちの父が「とんつー」を若い頃からずっとやっていまして、語感が気にいっています。また、信号のように、国や地域を越えて世界まで広がってゆけ、という気持ちを込めています。いや、広がっていくのではありません。広げて行くんです(と、大きく出てみます)。

c Kanta Horio.jpgゆっくりゆっくりにはなりますが、人の手に渡り、愛される、良いものたちをリリースしていきたいと思っています。福岡の片隅よりまずは2つの作品から始めました。今後の展開も期待しつつ、どうぞお見知りおきください。

とんつーレコード 小山冴子
WEBサイト:http://03150.net/tontuu/

(写真:堀尾 寛太作品)



Maher.jpg
(写真:『マヘル・シャラル・ハシュ・バズ』ライブ)








とんつーレコード出版物:
アメリカまで
〈DVD〉○(しろたま)



〈DVD〉○(しろたま)

★様々な時間が詰め込まれた映像作品「時間のそこ」と、様々な音の粒が詰め込まれた音楽CD「サントラ」のセット。一人の音楽家と、彼を取り巻く人々、音の記録。耳が開けば、見える世界も変わってくる。超特殊装丁!!

[2009年11月/DVD=52分  CD=44分/¥3,000] 著=梅田哲也 発行=とんつーレコード



8月7日、『レッツゴー!!おスナック』(青林工藝舎刊行)発売を記念してお東陽片岡先生が模索舎にて16時から19時まで「おスナック」を臨時営業しました。
 
touyou_01.jpg店内を「おスナック」風にということでお客さん用に椅子を設置、スピーカーからはお東陽先生が用意されたムード歌謡が流れます。
常連のお客さんからは「いつもと違う模索舎だね」と言われました。
一応「おスナック」と銘打っているもののお酒は出さず、来ていただいたお客様にソフトドリンクを用意しました。
 




店内にお客様がいっぱいになったところでお東陽先生はトークを開始、「アローナイツ」や「サザンクロス」などのムード歌謡が流れる中で、お東陽先生作品の逸話やおスナックの話、ムード歌謡からオートバイの話までお東陽節で話題が尽きることなくポンポン進みます。
 
touyou_02.jpg途中、たまたま「漫画家バンド大戦」のチラシを置きに漫画家の三本美治さんが来店。
10月に行なわれ、お東陽先生も出演される「漫画家バンド大戦」の宣伝とお客様一人一人にチラシを配っていきました。
 













touyou_03.jpgトークがひと段落後、サイン会が始まりました。
お東陽先生は一人一人と会話を交わし記念撮影しつつ、
ご自身のサインのみならず鼻毛の一本までイラストを丁寧に一冊一冊描いていただきました。
touyou_04.jpg
 














サイン会終了後、青林工藝舎の皆さんやお東陽先生の昔からの知人の方と一緒におスナックではないものの、近所のさくら水産でシアワセのグレープフルーツサワーで乾杯しました。

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 当日お越しいただいたお客様、青林工藝舎の皆さん、そしてお東陽片岡先生、本当にありがとうございました。(エノ)







 





レッツゴー!!おスナック

おスナック通い苦節20年、お東陽先生が身銭を切って開拓したディープな世界を、ほとばしる煩悩で描いたシビレるお漫画49本!!//東陽片岡コラム「メッタメタおスナック歌謡道講座」/「グレース」美人ママインタビュー/最長老の??流し?$V太郎さんインタビュー

[2010年7 月/A5/176頁/¥1,100+55] 著=東陽片岡 発行=青林工藝舎

音楽雑誌Oar No.003



2008年5月に、こっそりと産声を上げた音楽雑誌『Oar』の第3号です。歴史の波に飲まれて消えていく人・消えていく雑誌は数あれど、この雑誌は地獄の底からだって這い上がってきます。
今回の号は4月14日に大地震の発生した中国青海省のチベット族自治州玉樹と中国アンダーグラウンド・ミュージックの特集です。
平均高度3680メートル、寒さと戦い、チベットの狂犬とも戦い、取材しました歌舞の郷。秘儀的な色彩を帯びるチベット音楽を内面から見つめるべく街中を彷徨い、人々や町並みを観察し、うまい料理に舌鼓を打ち、悪夢にもうなされ、人生にも彷徨い…旅の軌跡を辿りながらの読みやすい紀行文となっております。音楽というものは何の文脈もなく、無理やり押し付けられてもよっぽどの音楽キチガイでない限り、興味のないものについては中々受け入れられるものではありません。色々聴いてはみたいんだけど・・・そんな人たちの興味や関心を感化すべくまずは彼らチベット人の生活・文化・宗教などの音楽に関わる様々な諸相を紹介しようと相成るわけであります。
その他の特集としまして、経堂にあるCDショップ、ハスキーレコードの店主ハスキー中川さんのご協力を得て、ジャズ評論家・元祖サブカルチャー王、植草甚一さんの特集も掲載しています。生前に植草さんと親交のあったハスキーさんとの3時間17分に及ぶロング・インタビューをもとに対談形式の記事になっています。今の若い人たちはあまり知らない人が多いかと思いますが、明治生まれのスーパーじいさんとして学ぶべきところも多いのではないのでしょうか。
さらに、40カ国・全54枚のCDを紹介した世界のヘヴィー・メタル特集や最新のパキスタン・ロック事情をアカデミックに、されど解りやすく紹介していただいた和光大学・立教大学兼任講師村山和之先生による記事、古代ギリシア音楽、パラグアイ音楽紀行、そして日本の大衆伝統芸能浪曲(浪花節)などなど相変わらず節操なく紹介しています。
今回の雑誌のサブタイトルは「他の追随を許さない」なんて強気に出ましたが、そもそもこんな阿呆な雑誌は誰も追随しないよ、なんて冷めた批判はごもっとも。まずは騙されたと思って手に取ってください。騙されますから(笑)まぁ、ワンコインですから、側溝に500円玉を落としたとでも思って観念してください。



音楽雑誌Oar No.003

目次:〈小特集〉植草甚一とは何者ぞ?−真実の植草甚一を暴き出せ!(ハスキー中川×Oar編集長)/植草甚一氏の私的覚え書き(ハスキー中川)/パンジャービー詩人故Jatindar Pal Singh Jolly詩への追悼と詩「プーラン・アプーラン(完全・不完全)」/Heavy Metal All Over The World―ヘヴィーメタルは世界の至る所に・・・/世界のロック/プログレ/HR/HM特集(編集長他)/聖者の宮廷開講録(村山和之:和光大学・立教大学兼任講師)/禁酒国パキスタン清涼飲料音楽館(村山和之)/ムーサの娘とアポロンの子〜古代ギリシア音楽〜(中川未来:東京外国語大学)/パラグアイ音楽紀行(三浦類:東京外国語大学)/空っぽになってこの身を浪曲に・・・(村山和之)/一本釣り:Oarの勝手気ままなCD紹介。今回からは音楽関連の書籍も紹介。

[2010年8月/A4/60頁/¥500] 特集=青海省玉樹(ジェクンド)チベット族自治州と中国アンダーグラウンド・ミュージックの旅 発行=Oar出版

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