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 シビルは、「市民が交流・学習・活動するための足場を力を合わせて作ろうとしている場所」として2005年から活動している<場>である。場所は、JR立川駅徒歩3分ほどの所。シビルの活動の中心となっているものの一つに「市民講座」がある。

 このブックレット「現代のナショナリズムを考える」は、第21期目のシビル市民講座「現代のナショナリズムを考える」(全6回)の「記録集」として作成された。  シビル市民講座「現代のナショナリズムを考える」は、2013年12月7日〜2014年3月8日にかけて、太田昌国さん、崔善愛(チェ・ソンエ)さん、川島正雄さん、北島凌翔さん、上野千鶴子さん、梁澄子(ヤン・チンジャ)さんの6人を講師として開かれた。非常に充実した内容で、講座の中身を受講生だけに留めておくのはもったいないと「ブックレット」として出版することにした。

 各回のさわりを述べると・・。 第一回の講座の前日は、特定秘密保護法が国会で強行採決された日で、講師の太田昌国さん(評論家。編集者)は、このことから話を始め、1990年代からの右翼の台頭、「慰安婦問題」、安倍政権の成立、在特会の登場などとその背景を分析し、論じている。

 第二回は、崔善愛さん(ピアニスト。平和運動家)は、牧師であった父親が金嬉老(キム・ヒロ)事件の渦中に飛び込み対話をしたことや自身が指紋押捺を拒否したまま留学した体験を話し、「”在日”である私にとって国とは」を問うている。

 第三回は、東京大空襲の被災者だった川島正雄さん(元教師)と中国残留婦人の孫として中国に生まれ、日本に帰国した北島凌翔さん(実業家)の二人の講師が、自身の体験と半生を振り返り、「私にとって国とは何か」を論じている。

 第四回は、上野千鶴子さん(社会学者)が書いた「ナショナリズムとジェンダー新版」を読んた司会者との対話形式で講座が組まれた。「国民国家論」という分析ツールとそれを通してみる日本社会の歴史と現状、「男女共同参画」という言葉に込められた思想背景等々、鋭い分析の話が続いた。余談になるがこの講座のあった2月8日は大雪。足元の悪い中、大勢の参加者があった。

 第五回は、梁澄子さん(「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」共同代表)が1990年代からの「慰安婦問題」の経過をたどり、現在の状況や「平和の碑」(ソウルの大使館前になどに置かれた少女像)の意味を論じている。

 第六回は、講座のアドバイザーでもある太田さんの2回目の講座で、安倍政権の歴史認識の問題、韓国との関係、北朝鮮への向き合い方、中国との関係と幅広くナショナリズムの問題を提起している。 ・・・という具合である。

 ここには書き切れないけれど、他にも多くの提起や示唆に富む内容のブックレットである。中身の濃さに比べれば、700円はとても安い。  是非、あなたも手にとって読んで欲しい。   (細田)  



現代のナショナリズムを考える 国はなくとも人は生きる

目次:第1回 戦後日本のナショナリズムはどこに基礎を置いているか=太田昌国/第2回 私にとって国とは 1 ”在日”である私にとって国とは=崔善愛/第3回 私にとって国とは 2 東京大空襲−被災から学んだ生きる道=川島正雄/私にとって国とは 3 私は日本人?中国人?という永遠のゼロ=北島凌翔/第4回 『ナショナリズムとジェンダー新版』を読み解く対話的試み=上野千鶴子/第5回 「慰安婦」問題解決の現場から=梁澄子/第6回 ナショナリズムの”ヒア アンド ゼア”=太田昌国/座談会 講座をふりかえって=太田昌国+講座スタッフ/参加者アンケートから
[2014年10月/A5/111頁/¥700] 《シビル・ブックレットNo.3》 発行=市民の学習・活動・交流センター シビル

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