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中南米マガジンと模索舎の店員さん



 中南米マガジンを創刊した頃、私は模索舎という存在を知った。どんな本でも扱う、取次を通していない本でもOkという書店ということだった。どんな書店かよく知らなかったけど、でも中南米マガジンを扱ってくれるならそれでも結構、死にゃしないよと考えて、夜の新宿に繰り出したのだった。

 いまでもはっきり覚えている。暗くて、ゲバラやトロツキーが睨みをきかせる店内には勇ましい言葉がおどる文字ばかりの新聞が山のように並ぶ。誰が読むのか? と思うがよくわからない。高卒の私には正直縁のない世界だった。その奥にいたのがAさんという女性の店員さんだった。中南米マガジンを扱ってほしいというと、即OKの返事。それ以来、模索舎への納品は続いているのだが、その頃の店員さんはそのAさんともうひとりBさんという人だった。Bさんという人は「モテない男通信」(という名前だったろうか?)というミニコミ誌を作っている由だった。

 Aさんはかわいい女性だった。その頃私は書店営業ということをし始めたばかりで、女性の書店員さんに対しては容姿や能力をほめるべきだ、それが営業だと思っていた次第だった。それに模索舎は客が一人もいないという時が多かったから遠慮はない。「美人だ」「かわいい」「アイドルみたい」などと大げさに彼女を褒め、旅行人の隣に置いて欲しいとか、平積みにして目立たせてほしいとか、ほかのグッズも置いて欲しいとかさまざまな要求をした。「中南米マガジン、ほかに置いてくれる店ないすかねえ」と聞くと、中央線沿線の店をいくつも教えてくれたので、「Aさんは中央線沿線にお住まいかも?」とひとり想像もしてみた。

 ところが、そんなAさんとの別れはやってきた。知らぬ間にお店をやめられていたのである。今でも、彼女がここに置いたらといった店の前を通ると、彼女がひょっこり通りの角からあらわれるような気がする。

 彼女がやめたあとやってきたのは、もう名前は忘れたが、非常に特徴的な顔と体型を持っていた男性だった。模索舎にいくと様々な性癖を持った方が雑誌を作っていらして、実に世間は広いなと思ってしまうのだが、同性愛の方で太った体型がお好みの士が集う雑誌があるらしく、わたしはその雑誌の表紙に不安を覚えながらちょっと中を覗いてみたいと思いつつ中を見る勇気がないのだが、その表紙から抜け出たような顔と体型の人だった。

 だがそのすぐあとにやってきた女性が可愛かった。Cさんという人だった。名前からしてあだち充の漫画を彷彿とさせる女性だった。一度だけ、自作の漫画を見せてもらったことがあるが、若い女性が書くにしては意外な感じの画風だった。残念なことに、Cさんとの思い出は数少なく、しばらくしてCさんは模索舎を退社された。

 中南米マガジンも15周年を迎えた。模索舎だけでもこれだけの出会いと別れがあった。今年は、2冊目の単行本「職業はラテンアメリカ」という、日本においてラテンアメリカで起業した人を取材した本を発売する予定である。えー、7月28日にそんな思い出話&これからの展望を語る会を模索舎でやるので、みなさん来てくださいな。

 

〈イベント〉中南米マガジン15周年記念 いままでの思い出をすべて語るトークイベントだよ!

7月28日(土)18:30〜 模索舎にて

 

中南米マガジン24

[2012年2月/A5/72頁/¥500] 編=金安顕一 発行=中南米マガジン

中南米マガジン23

[2010年1月/A5/72頁/¥500] 編=金安顕一 発行=中南米マガジン



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