kendi: 2007年5月アーカイブ

Rosas/Hoppla!

| | トラックバック(0)

rosas.jpg


RosasのDVD『HOPPLA!』([52分/¥3,800+190]販売=ダゲレオ出版)が発売され、当舎にも入荷しました。

Rosasは、ベルギーのコレオグラファーのアンヌ・テレサ・ドゥケースマイケルが率いる、コンテンポラリーダンスカンパニー。先月来日公演「デッシュ」も行われたばかり。
コンテンポラリーダンスってなんだ?直訳すると現代ダンス、現代〜っていうくらいだから、定義されがたい新たな形式ってことなのだろう。

ダンスだけでなく、コンテンポラリー・アート一般にいえることだが、その定義しがたさから、体験者の反応の多くは混乱としてあるだろう。

誰かが呟く。
『なんかよくわかんないけどすごい』『なんかよくわかんないけどおもしろい』『なんかよくわかんないけどつまらない』
比較対象がないのかみつけられないのか、専ら印象で語られ、「あるがまま」が肯定される。
一方で、「理解」すべく分析し分類し表象し、意味を定位してゆく。

表現が芸術や政治の領域でいかに語られようとも、根本的な問題である、表現そのものをめぐる形而上学性への批判はあまりきかれない。
ベンヤミンが明らかにした、表現とテクノロジーの関係は極めて先駆的であったし、『複製技術時代の芸術』以降、表現はようやく可能になったのではないだろうか。
さらに、故・川仁宏は、直接行動によって政治前衛と芸術前衛が「一致」すると言ったが、「止揚」ではない点が重要ではなかろうか。
その表象不可能な混交状態--意味付けられる以前の、無為の、「行為」と呼べるであろう状態とその持続--は、高次へと統一されることなく、ただ遍在するだけだ。
今や文化左翼の聖典となっている(?)ギー・ドゥボールの『スペクタクルの社会』も、この地平から読み直されるべきと思う。

さて、紹介そっちのけで展開してしまったが、肝心の『Hoppla!』の内容の紹介。下記の通り。

『Hoppla!』 1989年/カラー/52分 監督: ウォルフガング・コルブ 振付: アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル 出演: ローザス 音楽: ベラ・バルトーク ≪ミクロコスモス≫≪弦楽四重奏曲第4番≫ 89年横浜アート・ウェーヴでの、伝説的なローザス初来日で日本初演された作品「ミクロコスモス」の映像版。ゲント大学の図書館を舞台に、ローザスとしては初めての男性ダンサーによる”パ・ドゥ・ドゥ”、そして黒いワンピースを纏った4人の女性ダンサーによるアンサンブルが展開される。

ローザスの作品は音楽も凝っていて、ライヒやリゲティ、リンドベルイの曲など、複雑な構造をもった現代音楽を用いている。
他にも、音楽との関係が興味深いグループとしてアメリカにマース・カニングハム舞踏団があり、作品の多くがライブエレクトロニクスと呼ばれる電子楽器による即興演奏の中で表現されている。こちらも、より根源的に身体の可能性を追求している。
また、某版元ではマース・カニングハムの映像作品のリリースも検討されているようなので、注視しておこう。


■参考・関連文献及び音源
◎ピナ・バウシュ ──怖がらずに踊ってごらん
[1999年6月/A5/246頁/¥2,000+100]《Art Edge》著=ヨッヘン・シュミット 訳=谷川道子 発=フィルムアート社
◎神の裁きと訣別するため
[2006年7月/文庫/183頁/¥620+31]《河出文庫》著=A・アルトー 訳=宇野邦一、鈴木創士 発行=河出書房新社
◎アンテルナシオナル・シチュアシオニスト1〜6
[A5]監訳=木下誠 発=インパクト出版会(発売=イザラ書房)
◎スペクタクルの社会
[2003年1月/文庫/282頁/¥1,200+60]《ちくま文庫》著=ギー・ドゥボール 訳=木下誠 発=筑摩書房
◎でも私には戦が待っている──斉藤和[東アジア反日武装戦線大地の牙]の軌跡
[2004年5月/A5/510頁/¥2,500+125]編=東アジア反日武装戦線への死刑・重刑攻撃とたたかう支援連絡会議 発=風塵社
◎口もなし、舌もなし、喉もなし --川仁宏追悼集
[2005年12月/A5変型/135頁/¥2,000]編/発=川仁宏追悼集刊行会
◎〈CD〉川仁宏『フラッシュ・バック』
[2002年/¥2,300]発=モダーンミュージック
◎叛 4(1998-春) ──アナキズム総合季刊誌
[1998年5月/A5/80頁/¥700]特集=フランス5月革命30周年 編/発=レボルト社 ※川仁宏インタビューあり。但し品切れ。
◎機關 11号
[¥1,600]特集=今泉 省彦  発=海鳥社 ※前身として『形象』がある。但し品切れ。
◎[改訂版]大正期新興美術運動の研究
[1998年6月/A5/885頁/¥11,000+550]著=五十殿利治 発=スカイドア


他、大野一雄・土方巽などの舞踏モノ、ダダ・ネオダダ関連書籍もそろえております。

■当舎取扱外商品データ
◎Steve Reich 『Music for a Large Ensemble Octet/Violin Phase
発=ECM ECM New Series 78118-21168 ※ローザス『Fase, Four Movements To The Music Of Steve Reich』で用いられた作品。
◎CHRISTIAN MARCLAY/TONE YASUNAO/CHRISTIAN WOLFF 『Event』
発=Asphodel ASP2032 ※マース・カニングハム舞踏団のための作品。1998年録音。
◎カニングハム--動き・リズム・空間 
発=新書館 ※絶版あるいは品切れ

■参考リンク
UBUWEB
※CorneliusCardew、GuyDebord、KurtSchwitters、グループ音楽等の音源や、各種テキストあり。

このアーカイブについて

このページには、2007年5月以降に書かれたブログ記事のうちkendiカテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブはkendi: 2007年4月です。

次のアーカイブはkendi: 2007年6月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

カテゴリ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.1