少女マンガ関連の書籍がラッシュ!
といっても少女マンガそのものを仕入れているわけではなく、文化研究もの。
まず、4月によるひるプロ(営業代行の傍ら阿佐ヶ谷でイベント系飲食店よるのひるねを運営する門田克彦さんの良書復刊プロジェクト)から、リカちゃん人形の元ネタとしても有名なマンガ家・牧美也子の「星座の女」シリーズ(このシリーズは『週刊 女性自身』に連載された作品をまとめたもの)の完結編として『口紅水仙』が発行され、恥ずかしながら数ヶ月遅れで入荷。
その直後、ほぼ同時にでたのが、『彷書月刊』の9月号(特集=マンガ少女の三十年代)と、故・米沢嘉博の『戦後少女マンガ史』の文庫版、同じく米沢の『手塚治虫マンガ論』。
米沢氏は漫画批評集団「迷宮」に参加し、75年からコミックマーケット開催に参加、その後コミックマーケット準備会第2代代表、有限会社コミケット取締役社長を務めた方。惜しくも、2006年肺癌で亡くなった。
彼の業績は、漫画批評だけにとどまらない。今後は、出版史および流通史からみたコミケ研究も必要と思われる。
さて、漫画といえば貸本、貸本といえば紙芝居…ということで、強引に繋ぎますが、今年は紙芝居スタディーズもアツい。
06年3月に発行された『貸本マンガリターンズ』にも紙芝居文化についての言及があり、印象に残っていたのだが、その後07年2月に出たのが『紙芝居がやってきた!』。
これはカラーの図版がとても多く、親しみやすい作り。著者は現在、戦中文化と国民動員に関する「紙芝居の戦争協力」を執筆中とのこと。
で、先日には『紙芝居と<不気味なもの>たちの近代』が出た。前掲書とリンク!
私的な文化としてのマンガ・集団的な風俗としての紙芝居、なんてフレーズも浮かんでくる。安易?
ともかく、『要チェックや!』
ちょっと多くなりますが、書誌情報を記します。

◆口紅水仙
[2007年4月/A5/236頁/¥1,480+74] 《シリーズ 星座の女》 著=牧美也子 発行=よるひるプロ
1973〜74年、『女性自身』で連載され、全国のOL・主婦をとりこにした名作シリーズ完全復刻!//目次:[第一部]赤い失速/[第二部]いわし雲/[第三部]口紅水仙/[第三部]虹の波紋/[著者あとがき]「口紅水仙」によせて/[解説]女たちの「口紅水仙」(小野耕世)

◇彷書月刊 263号 ──本好きの情報探求誌
[2007年8月/A5/96頁/¥700+35] 《第23巻9号》 特集=マンガ少女の三十年代 発=彷徨舎
目次:[インタビュー]新しいこと、変わらないこと 高橋真琴さんに聞く/昔、まぼろし(つげ忠男)/[インタビュー]出逢いのつむぐもの 牧美也子さんに聞く/貸本少女マンガにみる高橋真琴の存在(権藤晋)/少女マンガ創世記としての昭和三十年代(藤本由香里)/ほか

◆戦後少女マンガ史
[2007年8月/文庫/393頁/¥880+44] 著=米沢嘉博 発行=筑摩書房
約30年にわたってコミックマーケットの代表をつとめ、2006年10月に急逝した著者の伝説のデビュー作。戦前からの少女文化の流れの簡単な解説も付し、1980年までの戦後少女マンガの全てを概観する唯一の通史。

◆手塚治虫マンガ論
[2007年7月/B6/317頁/¥1,900+95] 著=米沢嘉博 発行=河出書房新社
目次:手塚治虫マンガ大史/手塚治虫マンガ小史/「新宝島」ショック!!/初期SF三部作/永遠に未完の「火の鳥」/手塚治虫の四十年と今/増殖をつづける「手塚の子」/「手塚治虫」その再生と死/原型としての手塚マンガ/名優ヒゲオヤジの軌跡/ほか

◆COMIKET 30'S FILE 1975-2005
[2005年7月/B5/391頁/¥2,000+100] 編=コミックマーケット準備会 発=有限会社コミケット(発売=青林工藝舎)
コミックマーケット30周年記念資料集大成。 目次:資料で見るコミケットクロニクル/同人誌トピックス/代表インタビュー/サークル大アンケート調査報告/コミケット関連記事スクラップ/商業誌に使われたコミケ/サークル座談会/ 他

◆貸本マンガ RETURNS
[2006年3月/A5/335頁/¥1,800+90] 編=貸本マンガ史研究会 発行=ポプラ社
水木しげる、つげ義春、さいとう・たかをなど著名な作家を輩出した現代マンガ文化の原点を、多数のビュジュアル、資料と共に紹介する貸本マンガ研究の決定版(オビより)//目次:貸本マンガの豊かな世界〜戦後の貸本業界と貸本マンガ/ヒーロー現る!〜時代劇マンガの世界/青春って何だ!?〜貸本マンガの終焉と青春マンガ/ほか

◆紙芝居がやってきた!
[2007年2月/A5/135頁/¥1,500+75] 著=鈴木常勝 発行=河出書房新社
業界用語からその歴史まで、あの頃の紙芝居がまるごと1冊に詰まった、ファン必携、決定版!!(オビより)//目次:ハッチャメチャこそ紙芝居/紙芝居オールスター見参/疾風のおっちゃんと風小僧たち/物語の響宴/一場面の迫力/紙芝居屋の暮らし/絵元・塩崎夫妻の仕事/紙芝居の歴史と全体像/ほか

◆紙芝居と〈不気味なもの〉たちの近代
[2007年8月/A5H/302頁/¥3,400+170] 《越境する近代 4》 著=姜竣 発行=青弓社
戦前には〈不気味なもの〉として警察によって都市から排除される一方で、教育現場に包摂された紙芝居。その歴史をふまえて紙芝居『墓場奇太郎』の怪奇譚としての一面を明らかにして、紙芝居とその時代に映る〈不気味なもの〉から幻想と異端の実相を逆照射する。(表紙より)
そして、グッピー書林から「トラッシュ漫画」が復刻!関連書『トルコ星座の男たち』もあわせてどうぞ。

●スケバン貴族
[2007年8月/A5/134頁/¥1,000+50] 《飯島市朗傑作集 2》 著=飯島市朗 編/発=グッピー書林
長年の鍛錬の末にテレポーテーション・セックスに成功した男の末路を描く「テレポーション」、女性により開発された体のあらゆる部分を同時に満足させる快楽奉仕アニマル誕生エピソードを描く『性的人間」などなど…。激しい盛り上がりと意外な幕切れのアップダウンに息つく間もなく飯島ワールドを味わえる厳選6本の短編集。
