書評などを。
『諜報機関にだまされるな!』(ちくま新書632)(著=野田敬生 税込価格¥777 筑摩書房)
筆者は元公安調査庁でCIAに研修経験あり。
インテリジェンス/インフォーメーション、諜報/操作、パズル/ミステリー等多、諜報活動の基本概念について適宜解説しながら、イラク、アルカイダ、朝鮮半島情勢等の諜報活動を分析していく内容で、タイトルから暴露本的なものを期待した読者は肩すかしを食うかも。
諜報活動に関するアポリアは非自然科学的分析全般にあてあてはまる。先に出てきたパズル/ミステリーを例にとろう。「パズル」とは「情報がそろえば解ける」問題であり、「ミステリー」とは「現状では予測不能」な問題である。諜報される側は諜報されていることを知れば予定の行動を変更するか、さらには裏を掻こうとするだろう。だから実際には諜報が扱う問題は多かれ少なかれ「ミステリー」なのである。そして、多くの問題が「ミステリー」であるが故に、諜報機関は調査される側に介入することによって、予想の正しさを「立証」してしまうのである。
だから『諜報機関にだまされるな!』というタイトルには二重の意味が込められている。つまり、「諜報機関のだまそうとして意図的に流すニセの情報」にだまされるな!といういことと、「諜報機関は実は素で誤っていることがある」がゆえにだまされるな!ということ、である。 (ひ。)
諜報の認識論
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