↓恐らく世界で最初で最後のしろひのコスプレ。

仕事で注文したり棚を触ったりすると、特定のジャンルに対する関心がにわかに高まることがよくある。
で、今回はマンガ!
当舎では、マンガにそれなりの棚スペースをあてていて、青林工藝舎・北冬書房・幻堂出版・ワイズ出版・マガジンファイブ・fusion productなどから発行されたものを中心に、比較的マイナーなマンガを扱っている。
また、定期刊行物の『貸本マンガ史研究』や単行本のマンガ研究モノも、積極的に集めるよう気にかけている。
今年発行されたもので気になったのをあげていくと、
勝又進『赤い雪』(青林工藝舎)、画=勝又進『まんが狭山事件』(七つ森書館)、福満しげゆき『10年たって彼らはまた何故ここにいるのか』(幻堂出版)、うらたじゅん『嵐電 RANDEN』(北冬書房)、とみ新蔵『鉄門海上人伝 上・下巻』(マガジン・ファイブ)、ウィスット・ポンニミット『タムくんとイープン(日本)』(新潮社)、貸本マンガ史研究会『貸本マンガリターンズ』(ポプラ社)、貸本マンガ史研究会『貸本マンガ史研究17』(シナプス)、杉浦茂『怪星ガイガー八百八狸』(青林工藝舎)などなど。
当舎にはまだ入っていないけど、伊藤剛『テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ』(NTT出版)は『図書新聞』に興味深い書評が載っていたのでそのうち注文する予定。
あとは、そうだ、当舎とIrregular Rhythm asylumで、高慶日さんという韓国の風刺マンガ家の作品を展示したのも、デカかった。会期中のトークイベントもやった。高さんはウィットに富んでいたし、共に独特な時間と空間が創り出せたと思う。
極最近では、水声社が発行する月刊の雑誌『水声通信』の14号(06年12月発行)の特集は『戦後マンガ史論をどう書くか』。
『書肆風の薔薇』を前身とする水声社は、クリス・カトラ−(ヘンリー・カウ)、小杉武久やジョン・ケージ、マレーヴィチの著書などで美術・芸術に強い版元として印象深いのだが、同社はカルトなマンガを多く扱った評論集『マンガ地獄変』も出している。
『水声通信』は、ぱっと思いつくだけでも 3号=村山知義/マヴォ(大正期の新興美術運動) 4号=ロシア・アバンギャルド 7号=ダダ 10号=ジャン・リュック・ナンシー 13号=出版 の特集を組んでいて、毎回注目している人も多いはず。
私自身の、このComic Studiesとでも呼べそうな領域への最初の関心は、昔『BUBKA』で連載されていた『トラッシュマンガ万博』だった。
執筆は先述の『マンガ地獄変』でも執筆/編集している植地毅。
有名作家の怪作や、貸本あるいは大量発行されるマンガ誌の中でも人気マンガの陰に隠れて日の目のあたらない--商業主義的には“ゴミ”と言われてしまうような--作品を取り上げ、その放縦さや実験精神について熱く時にシニカルに筆を振るわせていた。私はそれをニヤニヤしながら読んでいたわけだ。
『マンガ地獄変』『トラッシュマンガ万博』のように、「B級」的側面にある種の豊かさを見出しいるものもあれば、一方で、歴史や社会とマンガの関係に重きをおいて批評を展開しているのが貸本マンガ史研究会の発行する『貸本マンガ史研究』だ。
『創刊にあたって』と題されるアピールには「マニアックな個別研究(と呼べるとして)のおちいりがちなそうした陥穽を埋める試み」「「貸本マンガ」の全容を戦後史的な視覚で記録し分析し、将来的には体系的な『貸本マンガ史』を書き上げる」と、会の趣旨が明確に示されている。
参考までに、当舎に在庫のある、他のマンガ研究モノの単行本も挙げておこう。
長谷邦夫『パロディマンガ大全』(水声社)、小野耕世『アメリカン・コミックス大全』(晶文社)、梶井純『執れ、膺懲の銃とペン 戦時下マンガ史ノート 』(ワイズ出版)、宇田川岳夫『マンガゾンビ』(太田出版)、山田裕二・増田真二『エロマンガ・マニアックス』(太田出版)、竹内オサム『戦後マンガ50年史』(筑摩書房)
また、「(特に近代/現代において)芸術とは何か?」という命題を根源的に問うならば、ペンヤミン『複製技術時代の芸術』は技術という位相から、デリダ『エコノミメーシス』(未來社)は芸術という信仰そしてその脱構築について、多くの示唆を与えてくれるだろう。
話は脱線してゆくが『BUBKA』にはもうひとつ楽しみに読んでいた連載があった。
Rhymesterの宇多丸(←重いので注意!)が執筆する『マブ論』というアイドルソングを中心とした歌謡曲批評---Idol Studiesである。
著者の嗜好性により、ハウス的な楽音構成の作品にたいする評価がついつい甘くなってしまっている。が、それもご愛嬌、本人自身も認めているところである。
そもそも批評なんてのは、特定の傾向があるからこそだと思う。立場に中立などないってことですよ。
ともかく、『マブ論』は、歌謡曲Diggerならば、参考になること受け合い。
そういえば当舎でも大人気で(私だけかも)、半年近く毎日のようにスピンされている、PxRxUxEも絶賛されてた。
「有害」図書指定包装(=エロ本シール)を剥がして読むべし!てか白夜書房さん、単行本出して!!
オルタナティブ書店で働く者の自負として、紙媒体の中でもテクストよりも速く写真よりもコンテクスト的なマンガというメディアに、引き続き注視していきたいと思います。
はーーーーーー、これで2週間分の更新ってことでおk?(w
